安全に価値を置かない!拝金主義の愚かさ!その末路
「走る最新式棺桶」と、日本的“安心”という名の麻酔
日本人ほど「命を安く扱うことに慣れてしまった民族」は、世界でも珍しいかもしれません。1930年から1946年までの約16年間、国家は国民の命を「1銭五厘」(ハガキの代金と同じ)という価格表で管理しました。戦争の作戦上の経費計算では兵隊のコストは「1銭五厘」で実際に計算されました。
全くの無駄死に約370万人が失われたその時代は、後世から見れば「集団的な人体実験」にも見えます。そして不幸なことに、その精神構造だけは、形を変えて今も静かに生き残っているようです。
現代も違いがあるとすれば、竹やり突撃が「走る最新式棺桶」に進化したことくらいでしょう。
現代日本では、「政府が決めたテスト(超低速)をクリアしているから安全」という、実に都合のよい安心方程式が共有されています。安全工学やリスク研究のQ1論文が繰り返し指摘するのは、最低基準を満たすことと、実際に安全であることはまったく別物だという事実です。しかし日本の大企業は、その“最低ライン”を神棚に飾り、それ以上を目指そうとはあまりしません。理由は単純です。コストがかかるから。そして――日本人はそれでも買ってくれるから。
たとえば日本の某大企業の決算を見てみましょう。2025年度、日本市場での販売比率は21.2%。にもかかわらず、利益の65.6%は日本から生まれています。つまり、世界では薄利、日本では濃厚搾取。1/5の市場から2/3の利益を吸い上げる構造です。
それでも企業は胸を張って「世界一のグローバル企業」を名乗る。世界で儲からず、国内でだけ成立するグローバル企業!!!莫大な利益を上げていても安全車開発投資は極少の日本の大企業!!当然の結果として被害に合う日本人が、皆々、凄い!凄い企業!日本の誇り!と大連呼する。これほど完成度の高いブラックジョークも、世界中見渡してもなかなかありません。
問題は、その商品が「命を預ける装置」であることです。Euro NCAPの衝突安全テストでは、140万円の中国製EVが5スターを獲得し、大人乗員安全82%を記録します。230万円クラスでは96%という数値すら珍しくありません。一方、500万円前後の日本製最新BEVは4スター、77%。価格は3倍、安全性は2割減。これを最新車と呼ぶなら、「最新式棺桶」のほうが実態に近いかもしれません。
それでも日本人は言います。「やっぱり日本車は安心だね」。行動経済学ではこれを確証バイアスと呼びます。信じたい物語だけを集め、数値は見ない。比較はしない。空気で安心する。走る棺桶に乗せられながら「やっぱり日本車は安心だね」と言えるのは、世界広しといえど日本人くらいだろう。これほど扱いやすい消費者は、世界的にも希少種です。
しかも、その安全テスト条件自体が現実離れしています。正面衝突64km/h、側面50km/h、ポール32km/h。実際の事故はもっと過酷です。被害が甚大で事故確立も多い、スモールオフセット(クルマ幅の1/4相互がぶつかるテスト)衝突テストはしていません。低基準テストでも最高評価が取れない!これは偶然ではなく、金儲け優先の恐ろしい日本企業の優先順位の結果です。
設計者も経営陣も、海外の高安全水準を知っています。知ったうえで、「ここまでで十分」「日本人なら納得する」と判断した。その結論が、4スター500万円という商品です。
つまり日本市場は、静かな「人体実験場」なのです。企業は承知で売り、消費者は進んで買う。ここに悪意ある加害者はいません。あるのは、共犯的な悪慣れだけです。
この構造は車に限りません。政治でも同じです。裏金が出ても、嘘がバレても、カルトと癒着しても、支持は続く。社会保障の穴は「将来世代が何とかする」。老朽インフラも、巨大災害も、少子高齢化も、全部後回し。Q1論文が警告する「リスクの世代間転嫁」が、日本では堂々と文化になっています。
そんな社会で、18〜39歳の若年層が高い支持率を示す現実を見ると、理解に苦しむ気持ちにもなります。しかし、それもまた“悪慣れ”の成果なのでしょう。安心とは、守られることではなく、考えなくて済むことになってしまったのです。
一方で、中国の新興EVメーカーは、まったく違う方向(実際ケースの顧客の安全)を向いています。
新設された世界最大で世界最新の吉利安全センターは、自動車安全実験施設として総面積40万平方メートル、屋内試験施設の建設エリアは(81,930.745m²)世界最大の面積、ちなみに広さを実感する意味で比較するとイオンモール浜松志都呂、敷地面積…約93,000m² の約1割減の広大な車両安全テストダケのセンターです。
世界最長の屋内衝突試験コース(293.39m)、標高・気候調整機能付き(降雪・降雨・日射シミュレーション対応)で最大風速250km/hを誇る風洞試験施設として世界最大(28,536.224m²)、0〜180°の任意角度衝突試験が可能な試験ゾーンとして世界最大(12,709.293m²)、そして自動車メーカーの安全試験施設として最多の27種類の試験項目を有している。世界ブッチギリの自動車安全テストセンターです。
法規対応のためダケの最低限テストではなく、実際の事故を想定した巨大な安全試験施設を整備し、衝突・ADAS・バッテリー・サイバーセキュリティ・健康被害まで含めた「包括的安全」を定義する。
安全を“コスト”ではなく、“競争力”として扱っている。
皮肉な話ですが、今や中国企業の「命を大切にする」ことのほうが、グローバルでは最先端になりました。方や日本の大メーカーは「お寺建てて役員一度が年に1度お参りする」ダケで高度な安全の為の具体的なニューリリースは皆無です。
真の愛国心とは何でしょうか。国旗を振ることでも、スローガンを叫ぶことでもありません。同胞の命を、少しでも長く、少しでも安全に守ろうとする意志です。もしそれを放棄するなら、日本に残る伝統文化は「悪慣れ」と「問題先送り」だけになります。
だから未来の子どもたちに残されるのは、走る棺桶と、膨れ上がった借金と、疲れ切った国土。そして「考えないことに慣れたDNA」。
現実は、あえてこう言ってみましょう。「命を軽視して何が悪い。高い金を払って死ぬのも美徳だ」と。
そう、日本は今日も笑顔で、実態の全く伴わない安全神話に酔いながら、静かにアクセルを踏み続けているのです。80年前と同じように――”日本万歳”と叫びながら。