豊かになる事とは真逆の政策を圧倒的に支持する日本人の不思議な国
■“学ばない国”の静かな自滅――借金と幻想に酔う日本の行き先
世界の多くの国は、失敗を経験したら、次は同じ轍を踏まないよう注意する。ところが日本には、この「学習」という基本機能がどうも備わっていないらしい。1990年代に失われた10年を経験し、気づけば20年、30年と延長され、OECDから正式に「停滞国」の烙印。
実質賃金は30年で世界最低水準、労働生産性はOECDで26位、出生率は過去最低。普通の国なら危機感で騒ぎになっているはずなのに、日本では「まあ仕方ない」と言って受け入れてしまう。ある政治学者はこれを“順応の美徳”と呼ぶが、もはや“破滅への順応”と言うほうが近い。
そんな国がまた「借金で景気を支える」という古びた魔法に頼ろうとしている。補正予算18.3兆円、そのうち11.7兆円が新規国債。日本の政府債務残高はすでにGDP比237%―少し前の260%超から下がって見えるのは成長した訳でも借金返済出来た訳でも無い、アホ政治の円安・物価高がGDPを膨らまし粉の様に孕ませて計算上の見かけを下げているダケ。
―IMF統計で世界ダントツ最悪(借金の許容とされている100%の約2.4倍の237%)。だが国民の75%がバラマキ続ける借金爆増推進政権を支持するという。この国では、借金を増やすほど拍手が増えるらしい。危険ドラッグを与えるほど患者が喜ぶようなものだ。
しかし実証データは決してその幻想に味方しない。たとえば、ジョージ・メイソン大学のマーカタス・センターが2025年に発表したメタ分析(70本の論文、171推計)は、96%の研究が「高債務は成長を減速させる」と結論づけた。MMTが主張する「自国通貨建ての国債はいくら増えても問題ない」という主張を支持した研究はわずか2本。つまり「借金は無害」という説は、科学の世界ではほぼ絶滅危惧種だ。
“日本版MMT”を支持した論者の転向
注目すべきは、アベノミクス期に「国債はいくら発行しても問題ない」と主張した経済学者や評論家の多くが、2024年以降は「財政健全化を進めるべき」「金利上昇下では財政赤字の拡大は危険」と、主張を大きく修正している点である。これは彼らの良心の問題ではなく、MMTの成立条件(=金利が上がらない環境が前提)を失った日本で、理論的支柱を維持することが不可能になったためである。つまり上記の極少のMMT支持論文2本の論拠も崩れた事を意味する。
これだけではない。
■IMF(2023):先進国の債務GDP比が1%上昇すると、潜在成長率は平均0.02ポイント低下。
■OECD(2022):債務比率が90%を超えると、生産性上昇率が統計的に有意に鈍化。
■世界銀行(2020):債務水準が高い国ほど資本形成が抑制され、長期的成長が平均1.3ポイント低くなる。
つまり、高債務は「科学的に確認された」経済の足かせなのだ。にもかかわらず、日本はGDPの2.4倍の債務を抱えてなお「もっと借りよう」と言う。火事の家にガソリンを撒くようなものである。
さらに、国債の大量発行は金利上昇を招く。実証研究では、
債務GDP比が1%上昇 → 長期金利が3〜5bp(0.03〜0.05%)上昇(Reinhart&Rogoff、IMF多数研究)
金利上昇1% → 民間投資が2〜3%減少(世界銀行2018)
注:ベーシスポイント(bp)とは?1bp = 0.01%(= 0.0001)金利の世界では、0.1%より細かい変化を扱うために bp(ベーシスポイント)を使います。
日本の企業はただでさえ先行き不安で投資に慎重だ。ここに金利上昇が重なれば、ますます設備投資は減り、生産性は下がり、賃金は上がらず、国民はさらに貧しくなる――この悪循環は20年以上続いている。
そして最も深刻なのは通貨・財政への信認の喪失だ。IMFは「債務が一定閾値を超えると、市場は“返済よりも貨幣発行で返すつもりだ”と疑う」と警告している。すると
・インフレ期待が上昇
・国債金利にインフレ・リスク・プレミアムが上乗せ
・財政破綻リスク(ソブリンリスク)も上乗せ
日本の国債金利は低いが、それは円安物価高を容認して「日銀が無制限に買っているから」にすぎず、国際金融の教科書では「市場消失=異常事態」という扱いだ。世界の中央銀行は国債市場を正常化しようと動くが、日本だけが「市場などいらない」と言わんばかりに買い続ける。まるで「体温計が壊れたから熱はない」と言い張る患者のようだ。しかし、昨今の円安物価高は国民生活を破壊し始めたので、もうこの政策も限界点を超え、日本の金利は上げざるを得ない。
ここまで危険な兆候が揃っているのに、アホノミクスと同等のサナエノミクスとやる右翼おばさん政権支持率は上がる。理由は簡単で、日本人が“問題先送り”に慣れすぎてしまったからだ。海外では“Japanification(日本化)”という学術用語が定着し、「低成長+デフレ的停滞+高債務+政治の硬直化+国民の順応」というセットで論じられる。つまり、日本はすでに世界の「反面教師」として研究される国になっている。
・英国の経済学者は「日本は世界で最も静かに衰退した国家」と評した。
・米国の論文では「怒らない国民が国家の寿命を縮める」と指摘された。
・ドイツの研究者は「日本は衰退を受け入れる文化を持つ稀有な社会」と分析した。
これほど学術的に“衰退の原因”が解明されている国も珍しい。だが当の日本人は、その研究を読まない。読んでも行動しない。行動しても選挙では同じ政党に投票する。これでは世界がどれだけ心配しても、国の運命は変わらない。
・借金で人気を稼ぎ、国民はそれを支持し、未来世代にツケが回る。
・だが子どもは怒らない。
・怒るべき大人も怒らない。
・沈んでいく船の中で、静かに整列しながら沈没を受け入れる――これが今の日本の姿なのだ。
必要なのは過激な改革でも革命でもない。ただひとつ、「学ぶ⇒反省⇒正しく行動」という当たり前の行為を取り戻すことである。こんな簡単な事が85年前の日本人と同じように今の日本人にも出来ないのであろう。つまり、・・5年後の結果は同じ・・と云う結論しか無い。