« 自動車に人生を搾取される日本人と云う生き物の不思議 | メイン | AI時代をキャッチアップ出来ないと・・・ »

民主主義が機能しなくなり、最大の負の部分が顕在化する

原理原則無視+ポピュリズム国家の危機 〜法の支配を失えば、温泉も沸かなくなる〜温泉の枯渇した温泉地日本となる。

世界は今、民主主義の期末試験を受けている。採点官は、よりによって米国第47代大統領・ドナルド・トランプ氏。アメリカはすでに「民主主義の模範」から「民主主義の破壊モンスター」に格下げされ、毎日が政治リアリティショーだ。

有名アナリストがアホトラ氏の法律無視は、毎日ウオーターゲート事件が起きて居ても、国民もマスコミも慣れてしまって善悪の感覚が麻痺して居る様だと・・言っていたのが印象的であった。

注:ウォーターゲート事件は、1972年にリチャード・ニクソン大統領の再選運動中に発覚したアメリカの政治スキャンダルです。この事件は、民主党全国委員会本部への不法侵入と盗聴器設置に始まり、ニクソン政権による隠蔽工作が明らかになり、最終的にニクソン大統領が辞任した。

今のアホトラ氏は明確に法律違反、憲法違反、脱法行為が状態化している。悲しいかな日本もアホノミクス以来、この状態が続いている。

欧州でも、フランスやドイツの政治は極右の突風に揺れ、政権はジェンガのように積み上がっては崩れている。しかもこの揺らぎは、遠い海の向こうの話ではない。民主主義の優等生だった国々が次々と落第していくのを、日本も極右や無責任のポピュリズム政党が大人気である。

確かに政治への不満が新しい勢力を呼び込むのは自然だ。1968年の学生運動だって、当時は「世の中を壊す若造」と叩かれたが、環境や人権の意識を高めた。しかし、今の急進勢力の一部は、家をリフォームするどころか地盤ごと掘り返そうとしている。SNSで「我々こそ真の国民」と叫び、法の支配を力づくで塗り替える。まるで暴走列車の車掌が「次は終着駅・無法地帯です」と笑顔でアナウンスしているようなものだ。

歴史は何度も警告をくれる。第一次世界大戦後の混乱と世界恐慌が、過激主義を議会に呼び込み、ナチスが登場。破壊と敗北を経て、ようやく自由民主主義が築かれた。日本の戦後憲法もその流れの産物だ。しかし2025年の今、その基盤は軋み、司法の独立は政権の便利ツール扱い。

選挙結果すら認めない空気がじわりと広がる。ドイツは2024年末、憲法改正で連邦憲法裁判所を守ったが、日本では「そもそも裁判所って何するところだっけ?」と本気で言う政治家がいても驚かない雰囲気だ。

日本では三権分立は当の昔に破壊され、最近では裁判所迄憲法違反の判決を下す事が状態化している。

そして、この国特有の毒は「先送り文化」である。政治改革も財政問題も少子化も、「未来の日本人」がやってくれると信じて、現役世代は温泉気分で湯船に浸かる。気づけばお湯の色はにごり湯を通り越して泥水を超え腐敗臭が漂う。借金は世界最大級、人口は急減、インフラは老化。にもかかわらず選挙では「見慣れた顔」に投票し、変化を拒む。「悪慣れ」もここまでくると文化遺産だ。

経済格差も地方衰退も、SNS上の憎悪拡散も、世界が同じ病を抱えているのは事実だ。ただ、日本の場合は治療より鎮痛剤、しかも効き目が切れかけたものを延々リピート。メディアは危機を特番で煽るが、翌週には新作スイーツ特集。国民は「まあ、何とかなる」で深呼吸。火事場でお茶をすすり、「火の粉がこっちに来なければOK」という精神が、民主主義の芯をじわじわ腐らせる。

本来、民主主義はスポーツマンシップで成り立つ。多数派に負けたら結果を受け入れる、異論はルール内で戦わせる。しかし今は、分断を煽る側と、それを「どうせ変わらない」と冷笑する側が共犯関係にある。SNSは炎上商法の大繁盛市場、理性より怒りがバズを呼ぶ。こうして「法の支配」は、政治家の手元で都合よく形を変える粘土細工になる。

日本はまだ外見は崩壊して居ない様に見えるが中身(精神)はもう腐りきっている。だが戦後体制の土台にはヒビが入り、他国の失敗例は目の前に山積み。にもかかわらず、「自分たちは特別だから大丈夫」という自己催眠を続けている。これは茹でガエルというより、カエルが自ら温泉地の詐欺の観光大使を務めているような状態だ。

だからこそ、今こそ冷水を浴びる必要がある。分断を煽るより、共通の基盤を修復し、連帯を再生させる。政党もメディアも、SNS時代の信頼を作り直し、法制度も昭和仕様からアップデートしなければならない。そして何より、国民一人ひとりが「先送り」という麻薬から足を洗わなければならない。とてつもない苦痛を伴う禁断症状が出る事を覚悟する必要がある。

民主主義と法の支配は自動運転では走らない。それは、毎日手入れが必要な盆栽のようなものだ。水やりもせず、形も整えず、「まだ緑だから大丈夫」と放置すれば、気づいた時には根が枯れ。最悪、盆栽も窓も家も、まとめて粗大ごみと化す。ゴミ処分会社の名札に「第47代米国大統領」「中国共産党習近平」と書かれていたとしても、もう文句は言えないだろう。

とにかく、人類の歴史上最大の負の大転換が始まる今後の5〜10年となるのだろう。恐ろし過ぎる近未来に今から準備をしましょう。