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自動車に人生を搾取される日本人と云う生き物の不思議

日本人の「クルマ信仰」は、もはや宗教の域にある。人生のうちで自動車に費やす総コストは約6000万円──ガソリン代、税金、保険、車検、駐車場代、そして買い替え費用。しかもその多くが「所有する安心感」という、実体のない価値に支払われている。

対して、世界は“移動そのもの”を所有からサービスへと切り替えつつある。ロボタクシーが普及すれば、個人が車を持つ意味はほぼ消える。テスラの試算では、自動運転EVによる移動コストは1kmあたり20円以下。1人あたり年間1万km走るとしても、年間20万円、40年間で800万円だ。つまり、日本人がクルマに捧げる6000万円の人生コストのわずか1/7で、同じ移動をまかなえる計算になる。しかも燃料代も整備費も不要、事故率も大幅減。AIが運転する時代には、「運転免許」そのものが化石になる。

日本の自動車税は世界的に見てもとても重い!日本では、自動車にかかる税金がとても多く、現在9種類もあります。自動車税(環境性能割)、自動車税(種別割)、自動車重量税、揮発油税・地方揮発油税、軽油引取税、石油ガス税、さらに消費税(車体分・燃料分)などです。税金に税金が上乗せ課税される不思議な状態が今の日本の自動車関連税です。

英国の・・約1.4倍
ドイツの・約3.4倍
フランスの約9.5倍
米国の・ 約23.4倍にもなっています!

点検から車検から高速代まで・・クルマの維持費は世界最高の費用が掛かるのが日本です。

それでも多くの日本人は「クルマは自分で持たなきゃ」と言い張る。月々のローン、ガソリン、駐車場代にため息をつきながら、週末には「ガソリン高いな」とぼやく。そう、これはもはや経済ではなく“悪慣れの文化”だ。便利であることより、変わらないことに安心を覚える。技術の進化より、「いつもの販売店」で買う安心感を選ぶ。

一方、アメリカや中国ではロボタクシーの実証運行が進み、2026年には都市インフラ化の見通しだ。BYDやテスラ、百度(Baidu)は自動運転AIを実装済みで、車両単価は200万円台にまで下がり始めている。ロボタクシー1台が10年間稼働すれば、1台あたり生涯コストは200万円+電力代数40年+AIシステム利用料200万円・生涯移動コスト800万円。これは1人の日本人が支払う今現在の生涯自家用車コスト6000万円のわずか13%。にもかかわらず、日本では「法整備を慎重に検討中」という呪文が繰り返されている。

生涯を通してロボタクシーを使っても800万円程度、自分で車両を保有しても800万円、同じ1/7の激安となる。さらに自家用ロボタクシー車なら・・空き時間にお金を稼いできてくれて利益が出て実質無料となる。

こんな簡単な事を理解しようとしない、この慎重さ(愚鈍)こそが、日本最大の浪費である。変化を遅らせるために、国家と国民が膨大なコストを払っている。地球は沸騰し、都市はヒートアイランド化し、渋滞と排出が日常の風景となった。それでも「まだ早い」と言う。実際は、“遅すぎる”のだ。

欧州では2040年までに個人所有車が大幅に減ると予測され、米国の都市部では、すでに始まって居るロボタクシーが2026年中ごろには爆増して、公共交通の一部として定着する見込みだ。将来的には移動コストは20円/kmを切り、広告やサブスクリプション収益で“無料移動”も可能になる。日本人がクルマに費やす6000万円は、すでに「未来への支出」ではなく「過去への供養」である。

車を所有する自由はもちろん否定しない。しかし、所有することが「前提」であり続ける社会は、効率も倫理も時代に取り残される。AIが安全運転をし、走行中に発電し、クラウドで最適経路を共有する時代に、私たちはまだオイル交換の心配をしている。

地球の温度は上がっても、日本人の価値観は凍ったままだ。ロボタクシーが普及すれば、6000万円の移動コストは800万円になる─そして無料にもなる─それでも動かない社会。

つまり、燃費が悪いのは車ではなく、この国の意思決定そのものなのだ。簡単に言えば”頭が悪い”と云うダケの事である。