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真のプロのいない国

悲しいかな・・日本には本物のプロを育てるシステムが殆ど無い!一端がり勉で、その村の村人の証明(医師免許・弁護士資格・官僚資格・税理士免許・建築士免許・等々)され得られれば、後は全く勉強しなくても、村長さんやその取り巻きに逆らう事さえしなければ(正しい事をすると排除される)、村システムが一生儲ける事を保証すると云う村第一システムとなってしまって居る。

■「悪慣れ」の国ニッポンと、壊れゆく医療の未来

気づけば日本は、世界でも指折りの長寿国になりましたが健康寿命と寿命の差は世界一長い医療村が儲けるシステムが出来上がった!。おめでたい話…のはずが、裏側では医療現場も保険財政も両方が悲鳴を上げています。

OECDの統計では、人口1000人あたりの医師数は平均3.7人。日本は2.6人。しかし、病院のベット数は世界2位 1位は中国の7,414,200床、2位は日本の1,556,963床。人口1,000人当たりの病床数は日本が13.0床で、主要7カ国では、ドイツ8.0床、フランス5.9床、イタリア3.1床、米国2.9床、英国2.5床などに比べて圧倒的に多くブッチギリ世界1位のベット数となっています。

なぜか?それは医療村にまことに都合が良いからである。日本は病床を埋めなければ病院経営が成り立たない!まるで「人間ドック」ならぬ「寝たきりドック」状態です。ただ、寝かしておくダケで金がウハウハもうかるからである。少ない医者=既得権を守る為!・・少ない医者でどう多くを儲けるか!を考えた作戦がベット数の増大である。

ちまたの人気病院では時間予約制なのに待ち時間2時間、診療2分なんてのが普通となって居ます。しかも、専門病院にはいきなり診療をしてもらえず、能力が極端に落ちる町医者の紹介状が必要なんて、事になって居る。

都市と地方の差も激しく、徳島は335.7人、埼玉は180.2人。もはや医者に会うためには「徳島旅行」が医療ツアーとして売り出されても不思議ではありません。

医師が少なければ、一人当たりの仕事は増えます。当然、勉強する時間もなくなり、医療水準は下がります。患者は不安、医師も不安、でも制度は不動。

日本の医療教育は「本物のプロを育てる」より「とりあえず穴埋め要員を回す」ことに長けています。専門医は希少種となり、抗がん剤の扱いすらごくごく少数の一部の限られた専門医だけ。

日本の「医師」34万3,275 人の中に極少の抗がん剤の専門家『がん薬物療法専門医』とは『がん薬物療法専門医』とは質の高いがん薬物療法を実現するために、幅広い臓器のがん薬物療法の知識と技術を持った専門医です。それぞれの専門医やメディカルスタッフと連携しながらがん治療を行います。

全国のがん診療連携拠点病院・大学病院やがんセンターなどに在籍しており、1,825名(2025年4月1日現在)が専門医認定を受けています。

結果、殆ど時代遅れの素人同然の医者ばかりとなり、厚労省がマニュアル(ガイドライン)を作り、患者の個性も状態も軽やかに無視して「はい、次」と流れ作業。まるで「人間」ではなく「規格品」を診ているかのようです。

■AIが差し出した小さな安心、「セルフトリアージ」・・検査データーや患者データーが有れば確実に医師よりAIの方が正確な診断を下す事になる。

そんな中で登場したのが、AIによる「セルフトリアージ」です。これは「自分の症状がどの程度緊急か」を自分で判断する仕組み。従来は検索エンジンで調べても「風邪かがんか不明」といった恐怖心しか得られませんでしたが、AIなら対話的に「とりあえず落ち着きましょう」と言ってくれます。

実際に「鼻に異物が入ったが痛くもなく息もできる」と質問したら、「よくあることなので問題ないでしょう」と、まるで優しい友人のような答えが返ってきました。医者に駆け込む代わりにAIに話しかける——もしかすると、日本人が唯一気軽に愚痴をこぼせる「現代のお地蔵さま」なのかもしれません。

■医療×AIがもたらす小さな革命

すでに2025年時点で、医師の約25%がAIを診療に導入しており、初診問診は65%も短縮されたといいます。
青森では150km離れた病院と大病院をつなぎ、ロボット手術が成功しました。国立情報学研究所の日本語医療LLM「SIP-jmed-llm」も医師国家試験に合格水準の性能を達成。

AIが本格的に働き始めれば、都市と地方の医療格差も少しずつ縮まり、過労死寸前の医師も「夜中に患者を診る」代わりに「AIの充電コードを挿す」だけで済む日が来るかもしれません。

■保険医療だけ一流、国力は三流?

しかし、日本の足元はすでに揺らいでいます。2022年度の国民医療費は46兆6,967億円。うち11兆7,912億円が税金で賄われ、国家予算の1割以上を占めています。かつて世界2位だったGDPは2023年にドイツに抜かれ4位、1人あたりGDPは2000年の2位から2024年には38位へ転落。

「世界最先端の医療制度を誇る、でも国民は貧しい」――そんな、冷静に考えたら恐ろしく滑稽な未来が目前です。

それでも政府は「大丈夫、何とかなる」と言い、国民も「そうですね、何とかなるといいですね」と頷きます。この「何とかなる信仰」はもはや宗教の域で、御神体は赤字国債、祭壇は国会議事堂です。誰も「破綻」という言葉を口にしません。言った瞬間、責任を取らされるからです。こうして問題は、丁寧に、優しく、確実に、先送りされていきます。

■「悪」に慣れてしまった社会

日本人は不思議です。最初は「おかしい」と思っていた制度でも、10年経つと「伝統」と呼び始め、20年経つと「誇り」に変えます。無駄と矛盾を積み上げるのが得意で、それを壊すより「我慢する」ほうが正しいとされます。結果として、制度も人も壊れそうになるまで働き、壊れたら「仕方なかった」とため息をつくだけ。この「悪慣れ」こそが、日本が最も誇るべき「文化遺産」なのかもしれません。

■それでも、希望を諦めないために

AIは医師の代わりではなく、患者と医師の両方を支える「新しい味方」として働き始めています。安全性と公平性を守りながら上手に取り入れれば、「とりあえず病院」という悪習から脱し、自分で状況を見極めて最適な医療につながる――そんな当たり前の未来がやって来るでしょう。

現状維持という名の「ゆるやかな崩壊」から抜け出すには、まず「おかしい」と声を上げる勇気が必要です。壊れるまで我慢するのではなく、壊れる前に変える――その当たり前を、もう一度取り戻さなければなりません。

さもないと、「悪に慣れた日本」は、静かに、礼儀正しく、にこやかに、滅びていくでしょうから。