今大人気の右翼系の新興政党は江戸時代の再来を狙っている
■未来を食い潰す「やさしい言葉」──減税の甘さと、日本病の深さ
「消費税ゼロ!」新興ポピュリズム政党のスローガン!!!
この響き、まるで熱帯夜に冷えたスイカを差し出されたような爽快さです。若者が飛びつき、高齢者もニッコリ。「財布にやさしい政治」とは聞こえはいいけれど、実はこのスイカ、農薬まみれで中に爆弾が入ってるかもしれません。
なぜなら、2025年度の日本の社会保障費は140兆円。これは、防衛費や公共事業費を軽く吹き飛ばす金額。しかも年々2.4兆円ペースで増えており、消費税1%分(2兆円)じゃ到底追いつかない。減税で得した気分になっても、その裏で社会保障が立ち行かなくなり、気づけば「助けてくれる国」が消えている…そんな結末が待っています。
日本が本格的な人口減少局面に入ってから15年以上たったが、社会保障に必要な費用は、今後も15〜20年程度は増え続けるということだ。政府の試算では40年度時点の給付費は188兆〜190兆円と今の約1.3倍に膨らむ。
そのころ、15〜64歳の生産年齢人口は約6000万人と約1300万人も減っている。いまとは比較にならない強烈な労働力不足に直面し、国内市場の縮小という経済の逆風も強まる中で、人口の36%を占める高齢者を支えなければならない。これが「2040年問題」⇒「現在の労働者の1.65倍の社会保障負担増」と呼ばれる過酷なたった15年後の課題である。
けれども、「減税」は大人気。なぜなら日本人は複雑な話を前にすると、「ややこしいから、見なかったことにする」というスキルを発動するから。説明された瞬間、脳内から「思考停止ホルモン」がドバッと分泌されるのかもしれません。
■2040年のリアルと、タイムマシンの不在
「2040年問題」「子どもを増やせばいいじゃん」と言う人もいますが、生まれた子が納税するのは20年〜後。そもそも、子を産める女性の数が激減!!!
■「痛みを分かち合う」という大人の条件
選択肢は、もう限られています。
@ 給付を絞る(つまり“出すお金”を減らす)=貧困者がより困る過酷な時代への選択不可避
A 3%程度の余裕ある高齢者には“支える側”に回ってもらう⇒極少過ぎて殆ど効果なし!
だからこそ、所得だけでなく“消費”にも公平に課す消費税は、理にかなっている面(富裕層程消費が多い=消費税も多い)もある。もちろん逆進性の問題もあるけれど、それなら軽減税率や給付で調整する方が現実的。
それでも日本の国会では、「資産課税を検討して20年」などという熟成された議論だけが棚に鎮座。さながら、賞味期限が切れても捨てられない梅干しのようです。
■問題先送りという国技、AI最遅という勲章・・・どうしてここまで動かないのでしょうか?
理由は明白。「問題を先送りする力」こそ、日本の国技だからです。しかもこの技、AIにも応用済み。世界がAIで社会を変えようとするなか、日本では「責任の所在が不明」「倫理的に不安」と言って議論を棚上げ。世界がChatGPTを使って議会の議事録を要約する頃、日本では「検討使」という名の人材が、今日も未来を押し入れにしまい込んでいます。
AI活用こそ、日本の古き村社会の無駄をあぶりだし、無駄削減にはとても有効なのに日本の村社会政治は全くやらない!
■“思いやり”のない民主主義は教育の人災
「税金払いたくない」は理解できます。でも、「払わないと社会が崩れる」ことに思い至らないのは、教育の失敗です。そもそも今現在の日本国憲法の国民の3大義務は@納税 A教育 B勤労
日本の教育は、「考える」ことではなく、「間違えない」ことに重点を置いてきました。教科書の答えを正確に写せる子が「いい子」とされる。でもそれは、“思考停止の達人”を育てる訓練だったのかもしれません。
その結果──
・なぜ社会保障が必要かは考えない
・年金がなぜ足りないかは調べない
・必要な納税額に至らなければ、国家がどうなるか!なんて誰も考えない。
・「選挙行ったし満足」と思って、それで終わり
教育という土台が「空気を読む力」ばかりを磨いた結果、利己的な民主主義が完成しました。まさに“空気の支配する村社会”の勝利です。
■教師たちもまた「被害者」であり「加害者」
一方、教育現場では、「志の人」だったはずの教師たちが、いまや「異動ガチャ」と「書類作成」に追われる小役人と化してしまった。出る杭は打たれ、目立つ発言は“トラブルの元”。そうやって、子どもたちに伝えるべき「社会の真実」も、「思いやりの大切さ」も、教える暇がない。
かつて教師は「未来を変える職業」だったはずが、今は「点数を取らせて、波風立てない管理者」に過ぎない。この空虚な教育が、思考停止の有権者を量産しているのです。
■道徳と知性の“復興税”が必要なのでは?「子どもに豊かな未来を」と言いながら、
・減税で社会保障を破壊し
・AIは怖いと導入をためらい
・責任は誰も取らず
・「自分は損したくない」だけで未来を売り渡す
…これでは、もはやブラックジョークです。いや、冗談じゃすまない。
本当に必要なのは、消費税の減税ではなく、「道徳」と「知性」の復興税かもしれません。この国に欠けているのは、お金ではなく「考える力」と「思いやり」と「覚悟」です。
■笑ってる場合じゃないけど、笑うしかない私たちへ
火事の中で「今日は花火を見よう」と笑ってるような今の日本。その姿は、哀しくて、ちょっと滑稽で、でも泣けてきます。でも、もう一度言います。未来は、今を生きる私たちの「選択」でしか変えられません。
思考停止という日本病は、もう手遅れかもしれない。けれど、それでもなお、「考えること」だけは諦めたくない。悲しい事だが今の日本は自分の子の未来さえどうでも良いと云う親ばかりの国になりさがってしまった。子どもたちに顔向けするためにも、そろそろ“空気”ではなく“意思”で動く社会に、変えていきましょう。
“減税”の甘さではなく、“思考”の苦さを引き受ける覚悟を、今こそ。