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貴方の家庭は家族全員が顔を合わせて腹がよじれる程の大笑いをしていますか?

「笑いと感謝と“ゆとり”と、そして拝金主義という病」

「生きる価値とは、どれだけ多く笑ったかである」——この言葉を残したのは、18世紀の作曲家アントニオ・ヴィヴァルディ。音楽の魔術師が、笑いの大切さを知っていたなんて粋ですよね。実際、“笑い”は体にいい。脳内でエンドルフィンという幸せホルモンが分泌され、免疫力が上がり、血行が良くなり、自律神経も整う。要するに、笑えば笑うほど人生が豊かになる仕組みになってるんです。

でも、現代の日本はどうでしょうか? みんな、笑えてますか? 笑うより先にローンの残高を見て冷や汗を流し、感動より先にレシートの桁を数えて絶望し、感謝より先に「ポイント5倍の日」に踊らされる。幸福ホルモンなんて出てくる前に、副腎からストレスホルモンのコルチゾールが出て、不安や不快を逃げる為に快楽ホルモン、ドーパミンが出る体に最悪の糖質を求め胃から胃酸が出てくる始末です。

もうひとつの名言——「人生の価値とは、どれだけ感動してどれだけ感謝したかである」。これはマッキー・タイラーがよく言う言葉です。感謝や感動(笑って涙が出て来る)も、笑いと同様に、心を整えるホルモンの分泌を促します。オキシトシン、セロトニン、ドーパミン… これらが出てくると、心が落ち着き、幸福感が増し、人に優しくなれる。ですが、それらを感じる“ゆとり”が、今の社会にはあまりにも少ない。

笑いも感動も感謝も、本来は無料で手に入る“心の栄養”のはずです。でも現代の日本では、その栄養を得るためには「@ 金銭的ゆとり」「A 時間的ゆとり」「B 精神的ゆとり」の3つの条件が揃っていないと難しい。つまり、お金がなく、時間もなく、心にも余裕がない人間は、笑うことすら許されない社会。それって、どこか壊れてませんか?

たとえば、住宅ローンを35年も組んで、毎月「ゆとり」を削っている人たち。家族の笑顔のために家を建てたはずなのに、いつの間にか家のために家族の笑顔が消えていく。笑顔をつくるはずの家が、笑顔を奪う檻になってしまう。これは決してドラマの中の話じゃありません。あなたの隣にいるあの夫婦、あるいはあなた自身がその主役かもしれません。

私は仕事柄、若いご夫婦の「夢のマイホーム」計画をよく耳にします。でも、真顔でこう言います。「その家、3つのゆとりを削ってまで建てる価値、ありますか?」と。見栄や世間体に踊らされて、必要以上に豪華な家を選ぶ人たちは、気づかぬうちに商業主義のカモにされているのです。

私自身もかつては“カモられる側”でした。26歳で我が師に出会い「真なる学び」の大切さを知り学び続けて、真の思考能力が付くのには40歳の頃まで約15年前後かかりました。それまでの23歳から始め40歳まで夢中だったゴルフ。毎週末クラブを振り、道具に金をかけ、スコアに一喜一憂していた日々。それがある日、ふとした気づきからこう思いました。「あれ?…これ、俺は真に楽しいのか?」——その瞬間、ハッと気付きゴルフをスパッとやめました。

それまで17年間ゴルフにかけた金額、3840万円。もし利回り5%の投資信託に回していたら、9448万円に膨らんでいた計算です。費やした時間、2万3200時間。正社員の時給で換算すれば、1億3920万円。もう、笑うしかありません(もちろんブラックな意味で)。

私のゴルフなんて・・「社会人がゴルフくらい出来なくっちゃ!!!」と云う”世の常識”と云うモノで始めたダケのモノでした。それ以降も・・ゴルフにあんまり楽しい思い出は皆無でした。

でも、こうも思うのです。もしゴルフが、心の底からワクワクして、家族の絆が深まり、人生を肯定できるような感動を生んでいたなら——それなら、どれだけお金と時間を費やしても“価値ある浪費”だったはず。

人生の価値は“真の自己満足=充足感”で測るしかない。ですが、自己満足すら、他人の価値観やCMのキャッチコピーに振り回されて見失っている私たちが多すぎるのです。

私のゴルフに限らす家も、趣味も、食事も、教育も、すべてが“売る側”の都合でデザインされ、「これが幸せですよ」と刷り込まれる時代。もはや私たちの感情までもが、マーケティングの餌食です。もはや、笑うことすら広告代理店の掌の上…そんな日本で、本当の幸せを見つけるには、まず“疑う力”を持つことが大切なのかもしれません。

笑って、感動して、感謝して、生きたいだけなのに。そのためにはお金も時間も心の余裕も要るって、ずいぶんコストのかかる幸せですね。

でも、それができない社会こそが、最大の“無駄遣い”なのかもしれませんね。貴方はどう思いますか?