日本人は後戻りできない確実に飢える時代へ向かう!
本日の午後1時の我が家のベランダは外部温度計が45℃を表示、我が家の歴史上初めての事である。
「黒いクルマと黒い未来 ― 悪慣れに沈む日本」・・そんな些細なことがが積み重なり致命傷となる。
令和7年5月末の日本国内の自動車保有台数は、約8,286万台。大型石油ストーブ並みの熱量を町にまき散らしながら車は走行しているとイメージしてみてください。真夏の40℃の炎天下に回りが大型石油ストーブだらけの大渋滞の中をイメージしたら恐ろしくなりませんか!!!しかも建物のエアコンの排熱がそれに加わる!熱地獄!
★1カ月の車の走行中の熱量 407,000 kcal ÷ 36h(稼働時間) ≒ 11,306 kcal/h
★石油ストーブ換算⇒石油ストーブ1台(1L/h消費相当)約 8,600 kcal/h 11,306 ÷ 8,600 ≒ 1.31台分
約8,286万台の車の色の内訳を見ると、白が約48%、グレー・シルバーが17%、そして黒もまた17%、その数なんと1,411万台を超える。つまり、日本列島には「黒い熱源」がぎっしり詰まっているわけだ。
ポルトガル・リスボン大学の研究者が明らかにした事実は単純だが、あまりに皮肉である。黒いクルマは、太陽光を吸収して周囲の気温を最大3.8度も押し上げる。白いクルマが75〜85%の光を跳ね返すのに対し、黒はたった5〜10%しか反射しない。つまり黒い塗装は「蓄熱体」、都市を小さなストーブに変える「無数の石炭」なのだ。さらに当然の事だが光の吸収率が高いと云う事は車の塗面の熱破壊は紫外線破壊も過酷に大きい事を意味する⇒早く痛む
しかし日本人は、それを知ってもなお「黒」を選ぶ。理由はシンプル。「かっこいいから」「なんとなく高級そうだから」。この「なんとなく」が、私たちの国を長年むしばむ慢性病である。政治の先送りも、少子化対策の腰折れも、年金制度の砂上の楼閣も、すべては「なんとなく大丈夫だろう」で棚上げされてきた。黒いクルマの選択も、結局は同じ文脈にある。
都市のヒートアイランド現象は深刻だ。舗装された地面が熱を吸収し、建物が空気の流れを遮り、夜には熱がじわじわと放出されて田園より10度も高い。そこに何百万台もの黒い車が「追加の熱源」として並ぶのだから、都市はまるで低温サウナだ。いや、むしろ「天然の焼却炉」と呼ぶべきか。
ヨーロッパの都市は、この危機を本気で受け止めている。スペインのバルセロナでは公共施設を熱波時に避難所として開放し、オランダのブレダでは街の60%以上を緑地に変えた。日本はどうか? 猛暑の中で「打ち水大作戦」という名の自己満足イベントを開催し、数分後に蒸し暑さが倍増する現実に「涼やかさを演出しました」と胸を張る。対策がまるで茶番なのだ。
本来、黒いクルマは公用車やVIPの送迎に適している。直射日光の下に長時間放置せず、洗車係が常に手入れをする環境なら意味もある。しかし、それを庶民が日常使いで選ぶのは「フォーマル用の礼服で炎天下のマラソンを走る」ような不思議さだ。しかもその不思議を、国民の17%が「なんとなく」で行っている。
その他にもクルマの色別の事故率研究も以下の様にある。黒色は特に夜の視認率が悪い事など当然の事である。以下が主な研究結果
@ オーストラリアの大規模調査(2007年)メルボルン大学とモナシュ大学が、約85万件の交通事故データを解析。
結果:黒い車は、白い車よりも事故率が12%高いと判明。特に夜間や薄暮の時間帯でリスクが増える。
A ニュージーランドの研究(2003年)
黒い車は、銀色の車に比べて事故率が約2倍と報告。白・金色・黄色・クリーム色などの明るい車は、比較的事故率が低い。
今や世界は「地球沸騰化」という言葉すら使うようになった。都市の気温上昇は命に直結する。熱中症で倒れる人々、冷房による電力消費の増大、そしてその結果としてのさらなる温暖化。この悪循環を少しでも緩和できるのに、「色の選択」という些細な場面ですら私たちは無思考に振る舞う。
日本人は「和を重んじる」と言われる。しかし実態は「周囲に流されるだけ」である。特に大変化時代は致命的な価値観となる。だからこそ反知性主義が大多数を占め、政治も経済も文化も「なんとなく」で動いてしまう。黒い車が増えることは、単なる趣味の問題ではなく、社会全体の知性のバロメーターかもしれない。
問いは単純だ。日本人は、このまま悪慣れに甘え、熱にまみれてゆでガエルのように”茹で死ぬ”のか。それとも「反知性の選択」を自覚し、知性を取り戻すのか。答えを先送りにしてきたツケは、もう街のアスファルトと車のボディから、じりじりと熱波として立ち上がっている。