「昼寝する亀」の物語
「時代はハードからソフトへ」「モノよりコトへ」――この言葉、もう20年以上も前から耳タコになるほど言われてきました。ところが、日本の製造業は、あたかも昭和の校歌のように「クルマ屋最高!」「カイゼン最高!」「カンバン方式最高!」と唱え続け、時代の変化を見て見ぬふりをしてきました。最近では「マルチパスウェー最高!」とまで言い出し、まるで自己暗示の宗教儀式のようです。
昼寝する亀国家ニッポン──走るロボット時代の寓話
昔話の「ウサギと亀」をご存じでしょう。足の速いウサギが油断して昼寝をしている間に、コツコツと歩いた亀が勝利するあの話です。子ども心に「努力は報われる」と教えられた記憶を、多くの人が持っているでしょう。
ところが現代の日本は、もっと皮肉なバージョンを演じています。つまり「遅い亀が昼寝までしている」という誰も想像しなかった悲劇の続編です。しかも寝返りを打つたびに「カイゼン最高」「カンバン方式最高」と寝言をつぶやく始末。ここまでくると、寓話というよりブラックコメディです。
■変化を忘れた産業
120年前、馬車から自動車へとわずか20年で社会が変わりました。今まさに、自動車から「走るスマホ」、さらには「走るAIロボット」への転換が進んでいます。この大変化もあと3年もすれば最終章を迎えると言われています。
世界は猛烈なスピードで走っているのに、日本だけが「やっぱり馬は最高だった」と言い続けている。これは電動キックボード大会で、他の選手が超速電動キックボードに乗っているのに、日本代表だけが下駄で小走りしているような光景です。
■未来を支える七つの鍵と日本の空っぽ・・・競争の同じステージにすら立てないみじめ!
これからのモビリティを支える技術は誰の目にも明らかです。
@AI自動運転 A高性能電池 BAI-OTA(遠隔更新) C車両のインフラ化 DAIロボタクシー Eグリーンエネルギー最適化。Fモビリティーのインフラ化
けれど日本の自動車メーカーは、このすべてにおいて取り残されています。持ち物検査をしたら、ランドセルの中が空っぽで、唯一入っているのは“過去の栄光”という古びた賞状のコピー。まさにそんな状態です。
■数字が語る世界の冷酷な現実
2024年の自動車販売台数を見ると、中国は3143万台で世界トップ。米国1634万台、インド522万台、日本は442万台でようやく4位です。それぞれの国内生産台数でも中国は3128万台、日本は823万台。差は約4倍。これを「互角」と言い張るのは、相撲大会に力士とハムスターを並べて「同じ土俵」と言っているようなものです。
世界での日本メーカー8社の合計生産台数は 約 2,410万台。日本国内での生産台数は 約 823万台(このうち、輸出が約421万台)つまり、日本メーカー製は83%を海外マーケットに依存しています。この海外マーケートが急速に中国車に侵食されます。アメリカでも関税で殆ど利益が出ないどころか大赤字は必至です。
妄信するカルト教団の信者の日本人からさらに搾取割合を増やす事でしか日本メーカーは生き残れない可能性が高い状態なのだけど・・日本人も今後さらに貧しくなる事は必至だから新車など買えない事になるのでしょうね!
■ロケットのような中国企業
輸出台数トップ10に外国勢はテスラだけで、あとは奇瑞、上海汽車、長安、吉利といった中国メーカーが占めています。BYDや吉利に加えて、家電大手のシャオミまでがEV市場に参入。
日本が「次回の委員会で検討」と言っている間に、中国は新しい工場を3つ稼働させてしまう。昼寝をしている亀の背中を、ロケットが轢いて通り過ぎる──そんな勢いです。
■人件費が安い日本でも、コストで大負けの日本企業
すでに中国のニューエコノミーメーカーは日本メーカーより優れた商品を約1/2〜1/3のコストで製品化出来ています。しかも、商品クオリティーは凄い勢いで高度化して行っています。テスラなどもテスラの最高の商品は「工場」と云う様に生産効率を2倍、3倍、4倍と高度化して行っています。
さらにベトナムでさえすでに日本メーカーは中国ニューエコノミーメーカーやテスラに全てのカテゴリーで大負け状態、既にバイクではホンダやヤマハがベトナムの新興企業「ビンファスト」に価格では1/3と大負けの状態である。
■電池と働き方改革の皮肉
電池の分野でも日本は劣勢です。世界最大手CATLはトヨタすら頼る存在。BYDは安価なリン酸鉄リチウム電池を武器に急成長。開発体制の違いも顕著で、日本が「1日1交代制」なのに対し、BYDは「3交代・24時間体制」。日本が「働き方改革」と胸を張っている間に、中国は「市場改革」を終えている。結果、日本は“働かない改革”に成功したわけです。
■米中が走る自動運転、日本はパンフレット係
米国ではウェイモが2018年に自動運転タクシーを実用化し、2025年にはニューヨークで拡大予定。中国の百度は2022年に武漢で「無人タクシー」を走らせました。テスラも2025年に配車サービスを始め、2026年には無人化すると発表しています。
その一方で日本は「ガイドライン策定の検討委員会」を開催中。気がつけば競技場の観客席どころか、会場の外で極少のクルマオタク(日本人限定)に対して過去のパンフレットを配っているだけの存在になりつつあります。
■一本足打法と疲労骨折
日本の自動車産業は、国内需要の倍を生産し、その半分を輸出しています。「輸出立国」と胸を張るのはいいですが、要は一本足打法。今、その一本足が疲労骨折を起こしかけているのに、包帯すら巻かず「気合で治る」と信じている。救急車を呼ぶべき患者が、マラソン大会に出ようとしているような光景です。
■悪慣れという国民性
問題の根はもっと深いところにあります。日本人は、地位が上がるほど決断できなくなり、知識が増えるほど無能化するという歴史を繰り返してきました。そして「悪に慣れる」「不合理に慣れる」「危機にさえ慣れる」という不思議な国民性を持っています。
もはやこれは「適応力」ではなく「自滅への耐性」と呼ぶべきでしょう。
■寓話の続編は悲劇的コメディ
寓話の亀は昼寝をしなかったから勝てました。けれど日本という亀は、遅い上に昼寝までしている。目を覚ました瞬間に口にするのは「俺はまだ勝っているはずだ」という根拠なき寝言です。
ウサギはとっくに宇宙へ飛び立ち、ゴールテープは撤去され、競技場はショッピングモールに変わっている。それでも亀だけが胸を張って「カイゼン最高!」とつぶやいている。
絶望的に笑える話ですが、これが今の日本の現実なのです。
👉 問題を先送りにし続ける国民性。この「昼寝する亀」の物語を私たちはまだ続けるつもりでしょうか。それとも、そろそろ目を覚ますべきなのでしょうか。