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“バラマキの応酬”の先に待っている日本人の大苦難

セミが鳴かない国に、未来は鳴り響くのか?——環境と政治に無関心な日本の末路

今年の夏、気がつけばセミが鳴かない。我が家の庭では、いつものけたたましい「ミーンミーン」がまったく聞こえてこない。代わりにあるのは、妙に静まり返った朝と、エアコンの室外機が奏でる文明の残響音だけ。6月には箱根でヒグラシが季節外れの前倒しで鳴き出したという報道もあった。季節感とは、もはやノスタルジーになりつつあるのかもしれない。

異常気象。そう呼ぶのが当たり前になった今、その“異常”の基準すらよくわからなくなってきた。
そんな中、海の向こうアメリカ・テキサスでは、7月4日に24時間で280mmもの豪雨が降り、わずか2時間で水位が10メートルも上昇。キャンプ場も住宅地も、濁流に丸呑みにされ、119人が死亡、173人が行方不明。まさに“気候テロ”だ。

その他にもニューメキシコ州当局の発表によると、7月8日発生した大雨の影響で、記録的な洪水が発生!ルイドソ川で鉄砲水が発生し、水位が記録上過去最高となる約6メートルまで上昇した!

中国や欧州でも熱波や洪水や山火事が状態化している。やがてわが日本でも当然のごとく地球沸騰化の大災害は起きるのであろう。

フランスの研究機関や東京大学の専門家は「人為的な気候変動が豪雨の原因」と分析している。つまりこれは、“自然災害”ではなく“人災”だ。日々、便利な暮らしのために出しているCO₂が、回り回ってどこかの誰かの命を奪っている。けれども、私たちは「暑いですね〜」と笑って済ませてしまう。

他人事ではない。東京の夏は100年前に比べて平均気温が4℃以上も上昇し、今後「100年に一度」の大雨は、5倍の頻度で起こると予測されている。テキサスの水害が、明日の東京や大阪で起こっても、もう誰も驚かないだろう。
それでも私たちは、コンビニでレジ袋を断り、エアコンを28℃に設定するだけで「私はエコ派」と安心する。罪悪感の断捨離はお得意のようだ。

気候変動は食卓にも静かに忍び寄る。猛暑で野菜は焦げ、魚は棲みかを変え、見たこともない魚が豊漁になる一方で、日常的な魚が消えた。日本の食料自給率は、米こそ100%近いが、それ以外はわずか15%程度。世界的に気候被害が拡大すれば、輸入品は価格高騰し、円安の日本は“買い負け”する可能性が高い。

こうした状況の中、日本人の環境意識は、まさかの「世界最下位」である。仏イプソス社が行った32カ国調査では、「今すぐ行動しないと次世代に悪影響を与える」と答えた日本人は40%でビリ。しかも2021年比で意識は−19ポイントと、世界一の急降下だ。まるで環境への関心を捨てることが“おしゃれ”になってしまったかのような急落ぶりだ。

不思議なのは、「気候変動の影響を心配していますか?」と聞かれると、81%が「心配です」と答えること。これは世界平均を上回る。つまり、「心配はしてるけど、何もしない」。この“ねじれ構造”こそが、日本という国の縮図かもしれない。

そしてもうひとつの“巨大な異常”が、黙して語られない。南海トラフ地震。政府の試算では「今後30年以内に80%の確率で発生」とされ、最悪の場合の死者は30万人、建物の全壊・焼失は235万棟、被害総額は292兆円にのぼる。土木学会の試算では経済的影響を含めて実に1466兆円。にもかかわらず、先日の参院選の政見放送で、これに真剣に触れた政党は、ほぼ皆無だった。

与党は2万〜4万円の給付金、野党は消費税の軽減。つまり“バラマキの応酬”である。次の災害より、次の選挙が大事。それがこの国の“政治”らしい。フリーマン・クラークの名言「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の世代を考える」が、胸に突き刺さる。

一方、我々有権者はどうか?スマホ片手に「この国はもう終わりだ」とつぶやきながら、環境対策にも、選挙にも背を向ける。つまり、どこもかしこも「悪慣れ」なのだ。

セミが鳴かない夏。それは、自然のSOSであり、未来への警告かもしれない。それでも私たちは「夏は暑いもんだよ」と、またエアコンの温度を下げる。このまま「気づかないふり」を続けた先にあるのは、沈黙する未来。音もなく沈む、気づいたときにはもう手遅れの国。

この国に“目覚める力”が、果たして残されているのだろうか。