「TOYOTA FOREVER」・・・と胸を張る!
ある日、EVショールームで──「日本人よ、それは“敗北”ではなく“進化”なのだ」
2025年のある晴れた午後、東京・青山のEVショールーム。元・国産車ディーラーだったその場所は、今やすっかり“中華EV・展示道場”と化していた。
そこに現れたのは、昭和の香り漂う初老の男性。胸元には「TOYOTA FOREVER」のバッジ。彼の目の前に現れたのは──
「これがZeekr(ジーカー)009です。お値段は1000〜1700万円(推定日本価格)で、馬力は789ps。7人乗れて、0-100km/hは3.9秒。つまり、あなたの人生より速いです」
中国の大手自動車メーカーであるジーリーはスウェーデンの「ボルボ」やイギリスの「ロータス」を傘下に持つ。ジーリー(吉利汽車)が2021年に立ち上げたプレミアムEVブランドがZeekr(ジーカー)
案内してくれた店員は、見た目は日本人だが、魂はすっかりシリコンバレー仕込み。冷静に、そして淡々と告げる。
ボディサイズは全長5209-5217mm×全幅2024mm×全高1812-1848mm、ホイールベース3205mmミニバンながら空気抵抗係数0.27「ちなみに中国では、こんなデカいクルマがファミリーカーって呼ばれてます」「……なにィ?」
スポーツカーを超えたミニバン、今どきの中国EVは、どうやら“常識”という概念を積んでいない。
超大型ミニバンなのにスーパーカー並みの加速3秒台で時速100kmに到達。ポルシェ並みの加速。
日本では「もてあます」サイズの車が、Zeekrでは「主力戦闘機」なのだ。しかも、全車800V急速充電対応。つまり、「牛丼食べてる間に満充電」どころか、「牛丼買ってる間に出発できる」という時間感覚。
「これは…もはや充電じゃなくて給弾だな」
ショールームの客がぽつりとつぶやいた。
日本人のEV観「充電時間?いや、うち駐車場ないんで」Zeekrの性能は完璧だった。走行距離は最大870km。加速はスーパーカー級。内装は高級ラウンジ。でも、日本の住宅事情だけは計算に入っていない。
「素晴らしいですね。でも…うちアパートの3階で、駐車場なくて…」
そう言って去っていく客は後を絶たない。どれだけスペックが良くても、“現実”という地雷原を走らされるのが、この国のEV事情だ。
工場が賢すぎて、人類が心配になる。ところでZeekrの車は、浙江省にあるスマート工場で生産されている。830本のロボットアームと5G、AI、デジタルツインを駆使して、トヨタ田原工場の1/3の面積で同等の生産能力を実現。
つまり、人間がサボってもバレるどころか、もう最初からいない。唯一の人間の仕事は「ロボットが飽きないように音楽をかけること」くらいだという噂すらある(たぶん違う)。
太陽光発電も完備。もはや「環境に優しい」というより、「人類がいなくなっても回りそう」である。
テスラもビビる“ギガキャスト”Zeekrはボディ構造も異常だ。7200トンのギガプレスで、車体を一体成形。まるで金属のたい焼きを焼いてるような勢いで、軽量・高剛性・低コストをすべて実現。
かつて「車って溶接してつくるもんでしょ?」と信じていた組み立て工たちは、いまや「これ、溶接する部分…ないんだけど」と途方に暮れている。
しかもこのギガキャスト、万が一ぶつけても「部分補修が可能です!」という謎の新技術が搭載済み。なんというか…もう、日本の自動車技術、勝てるハズが無い!と思わせるレベル。
で、なぜ日本に来るの?そんなZeekrが、なぜわざわざ島国ニッポンへ?
理由は明快。「すでに40カ国に出してるし、日本もそろそろ行くか」的なノリだ。日本と同じ右ハンドルのオーストラリアではすでに1.5万台売れている。
ただし、日本市場には最大の障壁がある。それは「性能」でも「価格」でもなく──“中国製”という文字列を見た瞬間に脳が停止する現象である。
ジーカー vs 中国アレルギー、Zeekrの車は、日本車の2〜3倍の性能を持ちながら、価格は1.2倍程度。でも、ネットのコメント欄には「でも中国車でしょ?」の大合唱。まるで性能より“国籍”を重視する就職面接のようだ。
じゃあ中国側はどうするのか?「だったら、日本車の7割の価格で出せばいいじゃない」と考えているらしい。そしてその通りに出してくるあたり、やはり勝てる気がしない。普及帯のクルマなどはもっと安くなる未来が確実の2026年となる。
結局、未来は誰のものか?2025年末、日本。Zeekrは「009」と「X」の右ハンドルモデルを引っ提げて、ついに日本市場へ。
果たしてそれを買うのは誰か?目をこすりながら「俺のクラウン、昭和から動いてるぞ」と語る老人たちか。それとも、「クルマはスペックで選ぶもんでしょ」と言いながら、スマホ感覚でクルマを選ぶ若者たちか。
どちらにしても、こう言う未来が来るかもしれない。──「中国車を馬鹿にしてた時代? あったねえ。いまや、あれに乗れないのが恥ずかしいって言われるよ」日本製のスマホが消えたように・・
そうなった時、日本人が真っ先に言うだろう。「いや、俺、最初からZeekr信じてたし」中身100%中国製のアイホン大好きの日本人は言うだろう。
中国製のハイブランドは全てに於いて・・・日本を軽く凌駕している。否、世界最先端と言っても過言ではないのが今の今!の状態である。中国メーカーイマイチ感の強い私は苦悩するのである。ふー