BEVの黒字化テスラ17年後⇒BYD8年後⇒シャオミ1年後
『アクセルを踏まぬ国──EV黒字化レースと日本の深呼吸』・・・日本メーカーは命がけのチャレンジすらしない!中国メーカー等は命がけのレッドオーシャン!大沸騰中!!!
テスラが創業したのは2003年。最初の黒字化は、なんと17年後の2020年だった。BYDは1995年にバッテリーメーカーとして始まり、2003年に自動車に参入。こちらは自動車参入から約8年後の2011年頃には黒字化している。そして、2024年にEV市場に本格参入した中国のスマホ大手シャオミ。なんとこちらは、わずか1年で黒字目前だという。
一方、我らが日本勢。……ええ、今もまだ「将来の選択肢のひとつとして検討中です」といった表情を浮かべながら、ハイブリッド車を愛でている。もはや“検討使”というニックネームすら、褒め言葉に聞こえるほど悠長だ。
テスラですら17年。BYDは8年。シャオミにいたっては1年で「いけそう」。この加速度を「ゲームチェンジ」と呼ばずに、なんと呼ぶのだろう。しかもその中で最も黒字化が早かったのは、かつて“安かろう悪かろう”の象徴扱いされた中国スマホ企業だ。
シャオミの初EV「SU7」は2024年3月に発売。2025年春までに25万8000台納車。生産ラインは24時間稼働、納車待ちは最長49週間。販売台数は月2万台超。1年毎に生産台数は30万台余増え続ける。平均販売価格は約520万円。そして驚くべきは、2025年第1四半期だけで売上2.2兆円、純利益107億元(+64%増)。黒字化はもう目と鼻の先だ。
このスピード感、日本では再現できるのだろうか? おそらく稟議が社内を1周している間に、シャオミは次のSUV「YU7」を市場に投入しているだろう。そしてその次は、大型SUV「YU9」、さらには欧州展開。日本のEV戦略が「間に合うか」ではなく、「まだ走り出してもいない」ことに気づいて愕然とする。
EVの価格比較を見ても、その現実は明らかだ。
車種 バッテリー容量駆動 馬力 0-100km/h加速 価格(円)
Xiaomi YU7 96.3kWh RWD 235kW(320PS) / 528Nm 5.88秒 約498万円
Xiaomi YU7 Pro 96.3kWh AWD 365kW (497PS)/ 690Nm 4.27秒 約577万円
Xiaomi YU7 Max 101.7kWh AWD 508kW (691PS)/ 866Nm 3.23秒 約637万円
Tesla Model Y 62.5kWh RWD 220kW (299PS)/ 440Nm 5.9秒 約525万円
Model Y Long Range78.4kWh AWD 331kW (450PS)/ 559Nm 4.8秒 約604万円
Model Y Performance 78.4kWh AWD 390kW (530PS)/ 730Nm 3.5秒 約716万円
Tyota “RZ450e 71.4kWh AWD 230kW(313PS)/ 435Nm 約6秒台 880万円・・全く売れない
シャオミのモデルは、バッテリー容量が圧倒的に大きいにもかかわらず、価格はテスラよりも抑えめ。なのに利益が出そうで、売れ行きも好調。これは単なる「安さ勝負」ではない。垂直統合とソフトウェア発想による経営構造そのものの優位性だ。
日本の自動車産業は、長年にわたり「品質神話」と「部品の芸術」で世界を席巻してきた。だが、今や世界はソフトウェアが主役。自動車もスマホも、使い心地やアップデート性が価値の中核を占めている。バッテリーとOSとAIが心臓部。そこに日本の伝統芸能は入り込む余地がない。
では、なぜここまで差が開いたのか?
@ 意思決定の遅さ:検討→会議→報告→稟議→再検討…その頃シャオミは新モデルを開発済み。
A 縦割り構造:開発・調達・販売が連携せず、ソフトウェア企業のような俊敏な動きができない。
B 精神論依存:「職人の魂」や「現場力」で乗り切ろうとするが、半導体もコードも魂では動かない。
C 価格神話の崩壊:高くて良い時代は終わり、今は「良くて安い」が当然。しかも早い。
こうして日本勢は、アクセルを踏まずに未来のカーブに突入しようとしている。むしろ、ウインカーを出すことに夢中で、いつ曲がるかをまだ検討中かもしれない。
テスラが17年かけて開いたBEV化の扉を、BYDが8年でこじ開け、シャオミは1年で突き抜けた。そのとき日本は、15年も前から延々と「扉の蝶番が緩んでいないか」を点検して、今の今も点検している最中だった――愚かさに気付き、せめて今からでもブレーキから足を離そうじゃありませんか。
中国や韓国では第二のBYD、第三のシャオミ・・等々新興勢が目白押し(10社前後)で世界に進出し始めている。中国勢は年間生産台数増加は300〜400万台/年の増加をし続けるだろう。