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レッドオーシャンで鍛えられ年率15%の価格低下の意味

中国のEV市場は、近年驚くべきスピードで進化を遂げています。貴方にその実感は有りますか?現在の販売状況を見ても、中国では新エネルギー車(NEV:BEV+PHEV)がすでに全体の約半分を占めるようになっています。この流れが加速し始めたのは2021年からです。それまで年間販売台数が100万台強で停滞していたNEVは、以下のように急成長を遂げました。

年   NEV販売台数(万台)

2021年 352
2022年 689
2023年 959
2024年 1,286.6

2024年の中国における総自動車販売台数は3,143.6万台であり、そのうちNEVが1,286.6万台(全体の40.92%)を占めるまでになっています。

今や中国では「EVのほうが安い」という認識が定着しつつあり、車を購入する際の第一選択肢としてEVが挙げられることが一般的になりました。実際、EVと内燃車の価格差は以下のように変化しています。

年   EV価格(内燃車比)

2018年 16%高い
2022年 14%安い

特に小型EVに関しては、

年  小型EV価格(内燃車比)
2018年 71%高い
2022年 37%安い

こうした価格の下落を牽引しているのが、BYDをはじめとする中国メーカーの驚異的なコストダウンです。BYDの財務報告書によると、2022年から2023年にかけて1台あたりの製造コストが年平均15%のペースで低下しており、燃料代(電気代)を含めたランニングコストも内燃車より格段に安くなっています。

現在、中国のBEVの平均価格は約3万ドル(約454万円)ですが、これは欧米や日本のBEVの平均価格のほぼ半額です。しかも、この価格は技術革新とともにさらに下がる可能性が高く、BYDのコストダウン率(年15%)を基に試算すると、以下のように推移することが予測されます。

年    BEV平均価格(万円)
2024年  454万円
2025年  385万円・・・・日本の自動車の平均価格相当
2026年  328万円
2027年  278万円
2028年  236万円
2029年  201万円
2030年  171万円

実際、すでに2025年には200万円前後の中国製BEVが多数登場と発表されています。

また、テスラもこの動きに追随し、2万5,000ドル(約390万円)の低価格EV(通称モデルQまたはモデル2)を2025年夏頃までに発売する計画です。これは過去の技術革新のパターンから考えても、2025年がBEVの大進化と価格低下の年になることを示唆しています。

一方、欧州市場でも低価格EVの動きが本格化しています。

メーカー    車種  発売予定年  価格(ユーロ)  価格(万円)

VW       ID.1(仮称)2027年   20,000     314
VW       ID.2オール 2026年   25,000     393
ルノー     トゥインゴ 2026年   20,000以下   314以下
BYD    欧州向けミニEV  2025年   20,000以下   314以下
BYD    海鴎(シーガル) 2025年   10,000以下   151以下
ステランティスリープモーターEV2024年  19,000     300

現在、欧州のEV価格は依然として高止まりしており、

地域  2024年EV平均価格(万円)
ドイツ       891
アメリカ      853
日本        600(軽四さくらを除く)

この価格差が、中国メーカーの競争力を一層際立たせる要因となっています。

さらに、BEVの普及と並行して、自動運転技術の進化も急速に進んでいます。最近では、中国のファーウェイやバイドゥの自動運転技術が、テスラのFSDを上回る性能を発揮しているとの報告もあります。BYDは、最も低価格なモデルを除くすべての車両に、自社開発の運転支援システム「God's Eye(ゴッズ・アイ)」を標準搭載すると発表しました。しかも、これは価格に影響を与えず、追加料金なしで提供されます。

これに対し、テスラのFSDは下記の様にそれなりの高額なコストが発生します。私のように1カ月に2回程度の自動車運転を考えると現在のFSDコストは高すぎますね!

FSDプラン買い取り8,000ドル(約120万円)
月額リース     99ドル(約1.5万円)

BYDの運転支援システム「God's Eye(ゴッズ・アイ)」無料提供が圧倒的に有利となっています。いずれ自動運転は標準装備される時代に向かうのでしょうね!

こうした状況の中で、日本の自動車メーカーはどう対応していくのでしょうか?中国製EVが日本メーカーの1/3の価格で同性能車が提供されるという現実は、まさに「死ぬほど厳しいレッドオーシャン」を戦い抜いて来た中国メーカーの勝利の成果であり、日本の様にマルチパスウェーなんて叫びながら遅々として進化しなかったぬるま湯企業との差と云う事でしょう。

今後3年間〜、日本の自動車業界にとってはまさに「過酷すぎる試練の時代」となるでしょうね!