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債利回り上昇の約6〜8割がタームプレミアム(上乗せ金利)

「円が弱り、金利が上がり、誰も責任を取らない国で」

日本円は、2020年を100とした名目実効為替レートで70前後。強烈なインフレに悩むアルゼンチン、慢性的な計上赤字を垂れ流すトルコに次ぐ世界の主要20か国で下から3番目の17位と云う強烈な“落ちっぷり”だと聞くと、どこか他人事のように思えるが、これは立派な日本製だ。輸入インフレに苦しむ国と肩を並べ、「先進国」の看板だけが取り残されている。

一方で、国債市場は正直だ。30年国債の利回りは3日前の3.88%より少し下がり昨日は3.664%.%台、10年債でも2.255%超。だが問題は水準ではない。その中身だ。金利上昇局面で利払い増に耐えられない日本は、満期が到来した長期債から短期債に切り替えて自転車操業をを決断した。モルガン・スタンレーの推計では、30年債利回り上昇の約6〜8割がタームプレミアム(上乗せ金利)。つまり「成長期待」ではなく、「不安手当」である。

経済学の世界では、これは特別な話ではない。Q1〜Q2論文で繰り返し示されているのは、債務が積み上がり、将来の調整意思が見えない国では、金利は“期待”ではなく“疑念”を映す鏡になるという事実だ。
財政規律が語られず、再建は「いつか誰かがやる話」になると、投資家は合理的に保険料を請求する。

それでも日本では、「責任ある積極財政」という、どこか既に市場の警告を色濃く受けているギリギリの日本で赤字国債の危険性を消し去る魔法の呪文のような言葉が好まれる。責任はある。だが、誰の責任かは決して明確にしない。アホ国民を騙す事には積極的ではある。だが、出口は常に霧の向こうだ。

株式市場が熱狂するのは、ある意味で自然だ。インフレは名目売上を膨らませ、円安は輸出企業の決算を美しくする。財政出動は、政府から企業への所得移転でもある。短期的には、株価が上がらない理由の方が不思議だ。

だが債券は違う。債券は「未来との契約」であり、インフレはその契約書を静かに食べていく。しかも、日本の場合は、金利が上がっても円が買われない。Q1論文が示す通り、これは「金利差」の問題ではなく、「制度への信認=日本の不安」の問題だからだ。

中央銀行が財政への配慮から動きづらく、政府は選挙を前に歳出を削れない。結果として、金利は上がり、通貨は弱り、輸入物価が上がる。昨今の日本の株高もインフレになると資産の名目的価値が高まる事と、円安により起きて居るダケである。日本の成長期待で株高が起きて居る訳では無い。それもバブルっぽいが!

この悪の循環は、教科書に載るほど古典的だが、日本ではなぜか“想定外”として扱われる。

高市政権が掲げるAI、量子、核融合、防衛。どれも重要で、否定する人はいない。問題は時間軸だ。Q1論文が繰り返し警告するように、研究開発型投資は回収まで10年、20年を要する。その間、財政赤字と金利負担は、毎年、確実に利息をつけて増える。

アベノミクス期、2012年9月時点では、国債等の残高が約▼940兆円。2023年末時点の日本国債残高(政府債務)2023年12月末時点の日本国債発行残高(国債+借入+証券含む)は約▼1,239.7兆円国債残高は約940兆円から約▼1,239.7兆円超へ約▼300兆円膨らんだ。現在では政府債務全体では▼1400兆円超にも及んでいる。

しかし、潜在成長率は、ほぼ動かなかった所か日本は大衰退して貧困の生活苦の国民が6割超となった。この数字を見てなお、「今回は違う」と言える根拠は、実はあまり語られていない。そもそも論としてアベノミクスの論理を提唱した学者本人が誤りを認め、このままのアベノミクスを模倣するサナエノミクスとやらは危険だと警鐘を鳴らし始めている。

それでも日本社会は、ジャブジャブマネーを主張する右翼おばさん政権や、国民民主党や参政党が大人気である。不思議な安心感に包まれている。円安は「輸出に有利」、金利上昇は「正常化」、国債増発は「将来世代が何とかする」。問題は常に先送りされ、悪は“慣れ”によって無害化される。

だが市場は慣れない。市場は情では動かない。静かに、数字で、請求書を置いていく。

世界ブッチギリ異様な天文学的な赤字国債を積み上げながら、「まだ大丈夫」と言い続ける国。財政再建を語ると空気が凍る社会。このままでは、日本は“危機が起きない限り何も変えない国”として、ゆっくりと信用を失っていく。

危険なのは、破綻ではない。危険なのは、何も起きないまま、少しずつ悪くなることに慣れてしまうことだ。先送りすればするほどに破綻時の被害度は指数関数的に増す!破綻から延々と復活出来ない、冒頭のアルゼンチンやトルコやベネズエラの様になる可能性も有り得る。資源が有るこれらの国々でも復活出来ないのだから・・資源が全く無い日本、そしてすでに技術力も無くなった日本は・・どうなるのでしょうかね!

円が弱り、金利が上がり、それでも誰も本気で困らないふりをする。その静かな異常こそが、いまの日本のいちばんのリスクなのかもしれない。

間違いなく日本、日本人は未来の持続性の為には”苦”を受け入れ、それを消化して行くフェーズである。長年の借金が限界に来て、長年の間違った努力が負の資産と成って居る事を徐々に返済する事が強制さえる時代と成って居る。

”苦”の耐性力が有る人間(日本人)にしか未来は無い!その不変の現実を理解し、今をどう生きるかが問われている。