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「おこめ券」と云うヤバイ券

注:私に特段の政治的イディオロギーは無く、支持政党も無く、原理原則と第一原理思考が有るのみです。念のため!

「おこめ券」という小さな紙切れに、日本の危うさが全部詰まっている!

1枚500円のはずなのに、発行元利益誘導問題で大炎上したら477に値引き、しかし使えるのは460円分。しかも使える店も限られ、配布には手間と膨大な無駄コストがかかる!。この時点で「なぜ、これを全国で配ろうと思ったのか」と首をかしげた人は、決して少数派ではないでしょう。

新大臣は就任直後から”お米券”配布を連呼していました。しかも、米価格は市場で決まるので政府は介入しないと・・お米券配布とは矛盾する発言もしています。

けれど、「おこめ券」の本当の問題は、その使い勝手の悪さや事務コストの高さではありません。真実はディティールに宿るの言説通りに、より深く、そしてより静かに、日本社会の根っこに巣食う“病理”を映し出している点にあります。

圧倒的愚行をするトップ官僚の多くは東京大学卒ですから、東京大学の教育も壊れている可能性が高いと推定されます。”人間を壊す最高学府”とは??本当に不思議な民族ですね!日本人とは・・・

食料政策や農業経済を扱う多くのQ1〜Q2論文が繰り返し指摘しているのは、政策の予見可能性こそが、食料安全保障の土台であるという、ごく当たり前の事実です。生産者は数年先を見据えて作付けを決め、流通は需給見通しを前提に動き、消費者は「来年も大きくは変わらないだろう」という安心感のもとで生活を組み立てています。

ところが日本では、その前提があまりにも軽く裏切られます。

減反を事実上やめ、「増産・価格安定・輸出振興」へと舵を切ったかと思えば、政権が変わると今度は「やはり生産抑制、価格は高く維持」。理由の説明は十分になされないまま、「方針だけ」がすげ替えられる。学術的に言えば、これは政策の一貫性欠如がもたらす典型的な市場混乱です。

「値段が上がる」「暴落する」不安心理が増大、「こういう(農政の混乱の)中で、おこめ券を配っちゃったら、ますます値段が上がるんじゃないかとか、今度は高すぎるんで買わないから、逆に余って暴落するんじゃないかとか、不安心理が増大しちゃってるんですよ」

当然、人々の心理は揺れ、不安が不安を呼び、その不安を“なだめるため”に配られたのが、おこめ券でした。明らかに不安な国民を手なずける為の目的です。圧倒的多くの日本人は東大卒に馬鹿にされているのです。

けれど、論文が教えてくれる冷酷な現実はこうです。不安の原因を説明せず、対症療法だけを繰り返すと、不信はむしろ増幅する。

おこめ券は、まさにその縮図でした。「説明の代わりに配布」「戦略の代わりに紙切れ」。しかも、その紙切れすら額面通り使えないのですから、ブラックジョークとしては出来が良すぎます。霞が関官僚の無謬性がこのお米券でも証明された様ですね!

さらに深刻なのは、この混乱を私たち自身が、お米券配布うれしいなぁ〜〜と、どこかで「まあ、いつものことだ」と受け流してしまっている点でしょう。朝令暮改に慣れ、説明不足に慣れ、無駄に慣れ、いつの間にか「悪を悪として怒らない能力」だけが、異様に鍛えられてしまった。

多くの食料安全保障研究が警告するのは、危機は突然やって来るのではなく、無関心の中で静かに育つという事実です。問題先送りが常態化し、「今は困っていないからいい」と自分に言い聞かせる社会ほど、いざという時にもろい。

おこめ券は小さな政策です。けれど、その背後にあるのは、説明しない政治、整合性を気にしない行政、そして「どうせ変わらない」と諦める私たち自身です。

この国は、本当に食料を守りたいのでしょうか。それとも、米価トライアングル大票田の「自民党農林族+JA農協+農水省官僚の米価トライアングル」の復活の安心感だけを守りたいのでしょうか。

問題を先送りにしたまま悪に慣れ、悪を許容する社会で、食べ物だけが無事でいられるほど、世界は甘くありません。

おこめ券は、警告です。アホノミクスのアホマスクと同様に日本の中枢リーダーが自国民の事より、票田を温存し、自分の我欲のみを追求する輩に支配されている現実を如実に表しています。静かで、地味で、しかし無視するにはあまりに危険なお米券問題です。