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時代から学ぶ事が不得手を通り越して大嫌いな日本人

日本企業の経営者が時代の変化を正しく捉えられないことが日本の未来にとってとてつもなく不幸をもたらす可能性が有りそうですね。

世界は今、かつてないスピードで電気自動車(EV)とAI技術の融合に向かっています。欧州の老舗メーカーであるドイツ勢でさえ、EVへの転換を急速に進めています。では、日本の自動車業界はどうでしょうか。

例えば、メルセデス・ベンツが2025年後半に発売予定の「CLA EV」は、1回の充電で750kmもの航続距離を実現し、エネルギー消費効率は1kWhあたり8km以上とされています。先進国の高速充電設備なら、わずか10分間の充電で300kmも走ることが可能です。後輪駆動モデルは272馬力(ps)、四輪駆動モデルでは前輪に追加の108馬力モーターが搭載され、合計390馬力と走行性能にも優れています。

さらに、中国のBYDやファーウェイ、シャオミといった新興勢力は、驚異的な速さで進化を遂げています。彼らは600馬力の高性能モデルを約500〜600万円、400馬力で400万円前後という価格で提供し、さらにAIによる自動運転(レベル2〜3)を標準装備したBEVを次々と市場に投入しています。1秒間に1km(10分充電で600q走行可)を走行可能な充電スピードを持つ車も開発されており、世界のEV競争は新たな次元に突入しているのです。

テスラも例外ではありません。2025年には「AIグロック3」を車に実装し、レベル3〜4の自動運転を実現すると予想されています。さらに、クルマと自然に対話できるシームレスな運転体験を提供しようとしています。

一方で、日本の自動車メーカーはどうでしょうか。いまだに内燃機関(ICE)車の開発に力を入れ、ハイブリッド車(HV)一本足打法を続けています。最近ではプラグインハイブリッド車(PHV)にも力を注いでいますが、これはAI型EVの本格的な普及までの「時間稼ぎ」にすぎないのでしょうか。

PHVがEVシフトを遅らせる要因

日本メーカーは「PHVはEVへの橋渡し役」と考えています。しかし、世界の技術革新のスピードはそんなに悠長ではありません。

例えば、BYDは2025年末にBEV嫌いの日本市場でPHVを発売予定です。EV市場が成長の鈍化を見せる中、PHVの価格の安さや、日常の走行のほぼ99%をEVモードでこなせる航続距離の長さが強みとなっています。しかし、このPHVの普及がEVシフトを遅らせるリスクも指摘されています。

日本でPHVが広く受け入れられると、EV用の充電設備への投資が後回しになりがちです。日本メーカーの「様子見」姿勢が続くことで、EV化を急ぐ必要はないという意識が生まれ、結果としてEV開発が遅れる原因となります。その間に中国メーカーは競争力を一気に向上させ、BYDなどがPHV市場を拡大することで、日本メーカーのHV市場のシェアはますます脅かされていくでしょう。

EV市場の成長鈍化とPHVの台頭

日本では、バッテリーコストの低下が鈍化する中で、比較的安価で航続距離の長いPHVが「現実的な選択肢」と考えられることが増えています。しかし、中国では2025年3月に第三世代のLFPバッテリーがリリースされる予定です。これは、低コストかつ高性能なバッテリーであり、EVの競争力をさらに押し上げる要因となるでしょう。

現在でも日本メーカーの大得意のハズのPHVは劣勢、中国メーカーの戦略とその影響

同じPHVでも、日本企業の製品は価格競争力で劣勢です。例えば、中国のBYDが展開する「シーライオン6」は約290万円で販売される予定ですが、トヨタの競合モデル「ワイルドランダー」は約560万円と、その価格は2倍近くになります。それだけではなく、航続距離でもシーライオン6は1415km、ワイルドランダーは1078kmと、中国勢のほうが半額でも約1.31倍優位に立っています。

また、BYDはPHV市場を拡大しながら、充電インフラが未発達な東南アジアや欧州での販売を加速させ、同時にEVの現地生産も進めています。2025年にはさらにその勢いを増し、世界のEV市場を席巻することが予想されます。

短期的な痛みを最小限化するハズの現実路線がもたらす未来の極大リスク(死ぬほどの痛み)

日本ではEVの普及が遅れることで、ただでさえ1/3の低性能で個所数も不十分な充電インフラへの投資やバッテリー技術の開発が停滞する可能性があります。その間に、日本メーカーはPHVで時間を稼いでいるつもりでも、実際にはBYD等のニューエコノミーメーカーの市場拡大を許してしまっているのです。

「PHVはEVへのつなぎ役」「時間稼ぎになる」という考え方を見直し、より積極的にEVシフトへ取り組むことが急務です。しかし、残念ながら、すでに世界のEV市場は日本メーカーを待ってはくれません。日本企業がEVへのシフトを加速させるべきなのは明白ですが、もはや「時すでに遅し」となってしまうかもしれません。

今こそ、日本の自動車メーカーは時代の変化を正しく読み取り、本気でEVへの転換を進めるべき時ではないでしょうかね。