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知らなかったら大変!コレをやると相続放棄できない?2
相続放棄を検討する際、何をすればいいのか、何をしてはいけないのか、不安に感じる方は多いでしょう。
ここでは、相続放棄をする上で重要なポイントを「やってはいけないこと」「やっても大丈夫なこと」に分けて解説します。
相続放棄の基本原則
相続放棄を考える上で最も大切なのは、被相続人の遺産に手を出さないことです。遺産を「処分」したと見なされると、相続を承認したことになり、相続放棄ができなくなってしまいます。
遺産を「処分」したとみなされる行為
・入院費用の支払い
被相続人の遺した現金や預貯金から支払うと、相続財産の処分とみなされる可能性があります。
・アパートの解約
賃貸契約の権利も遺産とみなされるため、解約は処分行為になります。
・価値のある遺品の処分・売却
預金通帳、腕時計などの持ち帰れる遺品や、家具・家電製品を売却したり粗大ゴミとして処分したりしてはいけません。
・借金や税金の支払い
相続放棄をするのであれば、被相続人の借金や税金を支払う必要はありません。
・預貯金の引き出し・解約・名義変更
これらは相続手続きをすることになるため、相続放棄ができなくなります。
やっても大丈夫なこと
相続放棄をしても、以下の行為は一般的に問題ないとされています。
1.葬儀関連費用
・葬儀費用の支払い
香典で足りない分を遺産から支払っても、相続財産の処分とは見なされません。ただし、過度に豪華な葬儀は例外となる場合があります。
・お墓の購入
常識外れな高額でなければ、遺産から支払っても相続放棄は可能です。ただし、可能であれば香典やご自身の費用で支払う方が安全です。
・先祖代々のお墓や仏壇・位牌の承継
これらは相続放棄に関わらず受け継ぐことができます。
2.その他の費用・手続き
・アパートの片付け
価値のないゴミの処分は問題ありませんが、遺品や家具・家電製品の処分は注意が必要です。大家さんには、相続放棄することと、家具・家電製品はこちらで処分できない旨を伝えましょう。
・アパートの滞納家賃
相続放棄をした場合、滞納家賃を支払う必要はありません。大家さんは敷金や連帯保証人に請求することになります。
・価値のない車の廃車手続き
10年以上経過しているなど、価値がほとんどない車であれば廃車にしても問題ないことが多いです。ただし、家庭裁判所への申述には注意が必要です。
・公共料金・クレジットカード・携帯電話の支払い・解約・名義変更
基本的に支払う必要はありません。支払う場合はご自身の費用で支払いましょう。各会社には、契約者が死亡したことと相続放棄したことを伝えれば十分です。
3.相続放棄しても受け取れるお金
・生命保険金・死亡退職金
受取人が被相続人以外に指定されていれば、受け取ることができます。受取人が被相続人自身の場合は遺産に含まれるため、相続放棄すると受け取れません。
注意が必要な行為
・価値のある車の廃車手続き
価値のある車を処分すると相続放棄ができなくなる可能性があります。売却する際は、売却代金に手を付けず保管し、名義変更の手続きには細心の注意が必要です。必ず弁護士や司法書士に相談しましょう。
・自動車税の滞納分支払い
廃車手続のために支払が必要な場合は、遺産からではなく、ご自身の費用で支払う方が安全です。
相続放棄を検討する際に最も重要なこと
個々の遺産について「どうしよう」と悩むよりも、まずは遺産全体を正確に調査することが最も重要です。プラスの財産とマイナスの財産を把握しないと、本当に相続放棄すべきかどうかの判断ができません。
相続放棄をするのであれば、相続人自身が保証人になっているなどの特殊なケースを除き、被相続人の借金や税金を支払う必要はなくなります。個別の請求に一つずつ対応するのではなく、まずは遺産全体の状況把握を優先しましょう。

相続放棄は複雑な手続きを伴う場合があります。不安な点があれば、弁護士や司法書士に相談することをオススメします。