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そのリフォーム、実は建築確認が不要かも?知って得する建築基準法の意外なルール

古い家をリフォームしようとすると、 「今の建築基準法に合わせなきゃ」「大規模な工事が必要になるのでは」 と不安になる方が少なくありません。 でも実は、その心配は思い込みかもしれません。 建築基準法には、建築主の負担を軽減するための既存不適格制度緩和措置が定められています。
この記事では、リフォームを検討している方が知っておくべき、 建築確認の意外なルール4つを分かりやすく解説します。

1. 「どんなリフォームも建築確認が必要」は誤解です

多くの方が「リフォーム=建築確認が必要」と思い込んでいますが、 建築確認が必要なのは“大規模の修繕・模様替”にあたる場合だけです。

▶ 「大規模」とはどんな工事?
建築基準法では、次のように定義されています。
壁・柱・床・梁・屋根・階段などの「主要構造部」の一種類以上について、その半分を超える部分を改修する工事。 つまり、家の「骨格」に関わるような工事だけが対象です。 以下のような一般的なリフォームは、多くの場合建築確認不要です。

建築確認不要工事の場合
・キッチン・トイレ・浴室など水回りの交換
・手すりやスロープ設置などのバリアフリー化
・屋根や外壁、床や内装仕上げの張り替え(構造を変えない範囲)
主要構造部の改修する面積が半分を超える場合は、建築確認が必要になります。
建築確認が必要な工事 リフォーム
建築確認が不要な工事 リフォーム

上記の写真は国土交通省より抜粋したものです。 詳細はこちらをご覧ください


上記以外にも、間仕切り壁や柱などの撤去でも不要な工事と必要な工事がありますので、大規模工事にはしたくないけどこの壁を取りたいなどの ご希望があれば、まずはご相談ください。
2. 「古い家=違反建築」ではありません
「今の基準に合っていないから違反建築かも…」 そう思う人も多いのですが、これは誤解です。
建築基準法には「既存不適格」という重要な考え方があります。 これは、建築当時は合法だったが、法改正などで現行基準に合わなくなった建物を指します。
意図的に基準を破った「違反建築」とは全く別物です。
たとえば1960年代に製造された車が、 今の安全基準(エアバッグ・シートベルト義務など)を満たしていなくても、 当時の基準で合法なら違法ではないのと同じです。
✅ 「違反建築」ではなく「既存不適格建築物」 = 建築当時の基準に基づいて建てられ、法的に認められている建物。 この理解があれば、「うちは法律違反かも…」という不安から解放されます。
3. 「大規模リフォーム=家全体のやり直し」ではありません
もし工事が「大規模の修繕・模様替」にあたった場合でも、 家全体を今の基準に合わせる必要はありません。
建築基準法には、過度な負担を避けるための緩和措置が定められています。

▶ 緩和措置の主な内容

・工事をしない部分はそのままでOK
 例:1階のリビングを全面改修しても、触らない2階を現行基準に直す必要はなし。
・構造的に危険が増さなければOK
 軽い屋根を重くするなど危険性を高める場合を除き、既存不適格のままで可。
・容積率・建ぺい率・高さも現状維持OK
 増築しない限り、当時の条件のままで問題ありません。

ただし、防火地域など安全性に関わる項目は除外されることがあります。 専門家に相談して判断することが大切です。

大規模の修繕・模様替を行う既存不適格建築物への緩和措置
出典:国土交通省
4. 「検査済証がない=リフォームできない」は昔の話
古い家を調べると、「検査済証(完了検査の証明書)」が見つからないケースがよくあります。 しかし、これを理由にリフォームを諦める必要はありません。
実際、平成初期の完了検査受検率は30%台しかなく、 検査済証がない建物は珍しくないのです。
現在は、国土交通省が定めた 「既存建築物の現況調査ガイドライン」によって、 建築士が建物を調査・報告すれば、検査済証がなくても正式にリフォーム申請が可能になっています。
✅ 検査済証がなくても、現況調査で代替可能。 もう「書類がないからリフォームできない」とは言えません。
既存建築物の現況調査ガイドライン(概要)
出典:国土交通省
赤澤

思い込みを捨てて、現実的なリフォームを 建築基準法は、単に厳しいだけの法律ではありません。 安全を守りながらも、現実に合わせて柔軟に運用できる仕組みを持っています。

・多くのリフォームは建築確認不要
・古い家は「違反」ではなく「既存不適格」
・大規模リフォームでも、工事しない部分は現行基準に合わせなくてOK
・検査済証がなくても、現況調査で手続き可能

これらを知ることで、リフォームのハードルはぐっと下がります。
「うちの家は無理かも」と諦める前に、 まずは本当に建築確認が必要な工事なのかを確認し、 専門家に相談してみましょう。
あなたの理想の住まいは、思っているよりずっと手の届くところにあります。


備考1:建築の定義
リフォーム 備考2:建築確認の要否
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