もちカツオ・・・2に続きですよ・・・カツオであんまり引っ張るな!!!漁師のブログでは無いぞ!!と云うお叱りのお言葉が聞こえてきそうです(笑)カツオおたく、マグロおたく・・・カジキおたく・・・の私としてはこのテーマなら延々1000ページの本でも書けちゃいます(笑)さて、おたくは置いといて・・・
本題と行きたいところですが・・・エピソードゼロ
の前に余談:・・・
本日、私のオヤジ殿の所(私の実家)に私の息子殿と共にお手伝いに行って来ました。私の息子殿(私のオヤジ殿からしたら孫)の誘いで出かけまして・・・親孝行の機会を息子殿に頂きました。感謝、感謝でございます。
今回のもちガツオ、そもそも釣りに行こうと思った原因の1つが・・・一昨年、(昨年は東日本大震災の混乱で5月は釣り所では無い)カツオを同じように太平洋に釣りに行き、私のオヤジ殿にもちガツオを食してもらったところ、もと漁師のオヤジ殿(85才)がいたく感激してあんな上手い魚は無い、また食べたいと・・・つぶやいて居た光景を思いだしたからです。今回ももちカツオを食してもらったところ、同じように”あんな上手い魚は無い”他が食べられなくなると今回も感動してもらいました。
やっと本題(笑)
私の息子殿は釣りを今はしません、高校生くらい迄は親子船よろしくカツオやマグロ、カジキを一緒に釣りに私と一緒に行ってくれて居たのですが・・・今は釣りはしません。そして私がカツオを釣ってくると必ず言う言葉が有ります。
”そのかつお・・・一本幾らすると思うのか?”。。。¥¥・・・と半分あきれた顔で私に質問します。
私・・・無言
たぶん、スーパーのワンパックのカツオの300倍から不漁の時は1000倍くらいするかも知れません。かつお一本からスーパーのワンパックと同じお刺身が10人分くらいとれますから・・・同じワンパックで比較すると30倍〜100倍位の高値となります。
魚釣りが趣味の人、おたくクラスの人は・・・第一義的に魚が欲しいわけでは無いのです。私の釣りのプロセスは以下の様になります。
1、一年365日、殆ど毎日数分から時には1時間程度は必ずカツオ等の外洋のお魚の事を考え続けます。その考えは・・・端的に言うと・・・”さかなの気持ち”、さかなに付いてトコトン学び掘り下げます。
2,それぞれの魚の旬が来る数ヶ月から数週間前には・・・釣るイメージをはらませます。仕掛けで有ったり海の状態で有ったり、海流、潮の状態で有ったり・・・
3,外洋の現在の状態や現状の他船の釣果の状態など幅広く情報収集を行います。
4,いざ釣行明日・・・もう色々な場面を想定して何通りも仕掛け造りから船の偽装関係を事前に点検、煮詰めます。
5,釣行当日・・・ワクワクドキドキ・・・午前3時から4時頃に起きて即、マリーナへ、同乗する仲間の事を考え色々な打合せをします。
6,いざ、出航・・・潮、風、波、エンジンの調子、仲間の顔色、テンションの度合い、仕掛けのチェック等々をしながらエンジンの回転を徐々に上げていきます。
7,水色はグリーンから黄緑、ブルーグリーン、エメラルドグリーン、ブルー、澄んだブルー、吸い込まれるような黒ずんだブルーにだんだんと変わり、はるかかなたのカツオの居る、澄み切った吸い込まれるようなブルーの黒い潮を求めて大海原を僚船と情報交換をしながら探しまくります。この時、自然に対するイメージが大切です。風、潮、海底の起伏の状況、現在の水温、衛星写真からの情報等々・・・・そして運が良ければカツオの生息するブルーの潮が見つかります。
8,ブルーの潮の中からお魚を発見するべく目を皿のようにして”さかなっ気”を探し出します。船に装備されている魚群探知機もフル稼働です。目標とするカツオで無くてもどんな魚でも見つければ・・・海の中の食物連鎖をイメージして海の深さ別にそれぞれの魚の状態をイメージし推測し確認をします。まさにカツオの気持ちそのものを知るべく全知全能あらゆる感性をフル稼働して”けものの私”になる瞬間でも有ります。
野生と野生の勝負!!!まさに壮絶な戦いです。海の下も食物連鎖による小魚、中魚、大型魚の熾烈なファイトがくり広がれています。そして海上では海鳥、漁師、私等々・・・大型魚とのファイトが繰り広げられます。
9,やがて知恵比べに勝利し運良く大型魚が船のデッキに上がります。その魚体はまるで宝石の様にキラキラと輝いてえも言われない美しい光を放っています。(多くの人はもったいなさ過ぎるこの輝きを知らないのだから・・・)そして船上ではもちカツオを創るべく船上でのカツオの丁寧で素早い熟練の処理が始まります。
10,この処理が一段落すると・・・船上の男達は”雄叫び”を上げます。生き物、男と云う生き物としての雄叫びです。全員で雄叫びと共に祝杯を上げます。”おおおぉ〜〜”そして次なるファイトに向かいます。
まさに、一本のカツオには海の男達との壮大なドラマが有ります。
************************
スーパーでのワンパック580円のカツオのお刺身と・・・私達、男と云う生き物の壮大な戦いのドラマを完結させた”もちカツオ”ワンパックとの違いは・・・外観からは解らないかも知れません。味は歴然と違います。誰でも解ります。
学び、イメージし、知恵を獲得し、知恵を使い、そしてリスクを取り行動し、経験した者しか解りません。当然一般の人はこの様な美味しいカツオが有る事すら知らない人も大多数では無いかと思います。
************************
このスーパーのワンパック580円のカツオも壮大なドラマの結実としてのもちカツオも外観は普通の人には解らないように、私達が生業としている住宅に付いても同じような事が言えると思います。住宅に付いても、この違いは学ばないと残念ながら普通の人には解りません。
私どもは、学んだ人しか本当にその価値を理解出来ない、感動の住宅を創りたいと毎日、毎日、学び、考え、イメージし、行動し・・・さらなる高みをめざし、日々もがき苦しんでいます。
”感動住宅”・・・まだまだ100%のお客様に提供は出来ていません。共に学び、信頼関係を構築し、手間暇をかけ、壮大な家創りのドラマを全員で完結しないと出来ない難しい、とても難しい事です。お金のその向こうに有る”感動”これを日々めざし、追い求めています。
私は思うのです。
本当に”自分の人生を生きる”と云う事は・・・仕事はもちろんの事、目の前に立ちはだかる多くのテーマに貴方自身が真剣に学び、考え、五感を研ぎ澄まし、この感動の大巨編ドラマを目指す、この事で有るような気がします。
もちカツオ・・・美味しいですよぉ〜〜〜(笑)