いま、大手メーカーの・・・お客様係(アフター担当)が私の目の前に居ます。
ぼやいて居ます。・・・・・まぁ〜苦情係ですからそれなりに大変だとお察しするのですが・・・
自分の会社の工事担当、設計担当に・・・ぼやきまくって居ます。
私もそれなりに人脈が広いモノですから色々な人が弊社を訪ねて頂けます。大手の場合注文住宅でもベルトコンベアー方式でキチンと工程管理され工期の短縮を計っています。それは・・・工期を短縮すればするほど利益が上がるからです。大手と言えども熟練した設計士や熟練した現場監督さんは実はとても少ないのです。ほとんどが・・・経験の少ない若者が担当をしています。
それは・・・大手企業は利潤の追求が使命です。熟練社員を使えば使うほど人件費がかさみますので若い人をなるべく雇うようにしています。それは、どこの大手でも新規採用からある程度経験を積み一人前になると・・・あちこち転勤をさせます。それは・・・転勤をさせることで会社に対しての忠誠心を試してみたり、その部署での不正(下請けからの接待や賄賂の防止)を未然に防いだりする目的が有るからです。
とにかく・・・大手で・・・偉くなろうと思ったら・・・転勤に次ぐ、転勤に耐えなければなりません。昨今の子供のいじめ問題や奥様の奥様ネットワークの再構築の心労等で・・・単身赴任もとても多い現実があります。そうすると・・・週末の帰郷の経費や時間で二重生活となります。家族とは?人生とは???を普通の人は疑問に感じる機会もとても多くなるようです。
そして離職・・・(うがった見方をするとこれが企業の目的、?人件費の少ない若い人を使う理由)
そんなこんなで・・・・大手の住宅は熟練社員が居なくても問題なく建てられるシステムが考えられています。そう、マニュアル化です。
しかし、建築と言うのは大自然との付き合いもとても大切なお仕事です。このリズムが大雨やアクシデントで狂うと・・・もうマニュアル通りには行かないケースが時折発生します。そうするともう若い担当では経験不足でパニクります。
例えば・・・・雨等で基礎工事が遅れギリギリ基礎コンクリートを打設した翌日(コンクリートの強度がまだ不十分)に上棟式を予定が組んであり、ずらすともう後の沢山の工事が変更になり修正がとても大変と云う理由で強行したり・・・
例えば・・・・前工程の職人が事故や病気で仕事が完璧にできていないにも関わらず後工程の仕事をかぶせてやってしまったり・・・経年すると雨漏れ等の発生・・・
例えば・・・・地盤補強工事が完全に出来ていないのに・・・基礎工事を強行したり・・・建物の傾きの発生
例えば・・・・私が実際に遭遇した実例では・・・・・・・お客様が当初大手ハウスメーカーでの施工を計画していました。地盤調査も大手でやられました。その地盤調査書を私が見たところ・・・とんでもない結果でした。大手担当曰く地盤は問題なし・・・しかし、実は表層の10センチ程度がカチカチでスェーディングサウンディング式では調査不可能(固くて歯がたたない)な地盤でした。本来それは、このカチカチの表層の地盤の下を調べないと行けないのに何もしなくてOKをだして居ました。ラムサウンディング式又はボーリング調査が必要なケースでした。地盤の知識や構造の知識、地震時等の構造力学の知識が有れば直ぐに解ることなのに・・・・なにもしないでOKを出していました。
等々・・・普通では考えられないトラブルが発生しているようです。
本日も・・・家が傾いた・・・とのお話し(ぼやき)が有りました。
家創りの要点は・・・大手だろうが中小だろうが零細だろうが・・・・
直接、その設計や工事に携わる個人個人のマインドや熟練度、そしてお客様を思う、ハートの熱さだと思います。
弊社が、直接工事に携わる職人さんお一人、お一人の、”質”にトコトンこだわるのもこの理由からです。
一生をかけたお客様の大切な、大切な、家創りにとって不測のアクシデントに対して・・・お客様にとりまして何が最善の方法か?損得を度外視して判断出来る経験と、胆力がいちばん重要なのです。
また、その判断と権限を現場担当者に与えている経営哲学(経営者の考え方)がとても重要になります。
残念ながら・・・大手の若い担当がこの権限を与えられて居るとはとても思えません。アクシデントをその場しのぎで処理(隠す)する事が後々の・・・とんでもない事件を産み出します。
大手だろうが中小だろうが零細だろうが・・・”人”の”質”を見誤ってはなりません。この判断はお客様の一番大切なお仕事(役目)です。